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ALL FOR Meiji 最上級生「100回目のライバル対決」への決意(VOL.38)

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FW、BKともにタレントをそろえ、連携とまとまりにも秀でた今季の早稲田。
しかしライバルは強いからこそ、闘争心がわき上がる。
学生生活最後の明早戦を目前に控えた4年生に決意の言葉を聞いた。

CTB/副将 秋濱悠太



今季の早稲田は強みが多い
大量点を奪える展開にはならない
窮地にも冷静さを保って明治を助ける


この対抗戦は試合中の修正がうまくできるようになったと思います。大きく変わったのは得点を取ったあと、取られたあとの円陣(ハドル)でのトーク。誰がなにを、どの順番で話すのか。そこが整理されて混乱する場面がかなり少なくなりました。
アタック、ディフェンス、ブレイクダウンと、それぞれにリーダーが決まっていて――僕はディフェンスリーダーですが――まずはひとりずつ順番に修正点などを伝える。そして最後にキャプテンの木戸(大士郎)が主にメンタル面を話してまとめる。各ポジションで気になるところは、この一連の流れを終えてから個々で話す。試合中の役割分担が明確になったので、とくに木戸の負担が減って、気持ちに余裕が出てきたと思います。その分、自分のプレーやチーム全体の大きなところに目を向けられている。ときどき熱くなる瞬間もありますが、本当に冷静に話せているので、僕もチームもとても助かっています。
きっかけは高野(彬夫)ヘッドコーチの提案です。僕らが円陣でなにを話しているのか。そこが気になっていたようで、AからCまですべての試合でハドル内でのトークを録音していました。あらためて聞き直すと、チームや状況によっては個人個人が勝手に話してバラバラだった。とくに悪い形でトライを取られたあとは、どこにフォーカスを向けて修正すべきかわからない状態になっていました。
そうならないために、いま話したような整備をおこないました。夏合宿以降は先制点を取られて焦りが生まれたり、まとまりを欠きそうな状況では、トークの前に「ブレス」と言って、まずは全員で一緒に深呼吸をすることにも取り組んでいます。
 

焦らず冷静に対応できる選手でありたい


今季の早稲田はセットプレーが常に安定していて、BKにもスキルとスピードのある選手が本当に多い。どこを切り取っても、脅威になる部分がたくさんあります。明治は強みを多く持つチームに対して、その一つひとつに過剰にフォーカスしてしまう傾向がある。相手よりも、まずは自分たちが積み重ねてきたものを試合で出すことに集中したいですね。
 もちろん、スクラムやラインアウトといったセットプレーを中心に対策はします。ただ、それ以上に明治がやるべきプレーを明確にしたうえで試合に臨めれば、自然と内容や結果がついてくるはずです。
試合展開を予測するのは難しいですね。 でも、おそらく昨季のように前半からトライをどんどん取れるような流れにはならないと思います。取って取られて、あるいはどちらも取れない。いずれにしても大量リードで後半を迎えられるゲームではないと思います。我慢を必要とされる時間が続くなかで、がんばらないといけません。
僕は副キャプテンなので、チームを引っ張っていくべき立場です。今季は我が強いというか、芯のある下級生がメンバーにたくさん入っていて、とくに対抗戦の前半は自分がリーダーシップを発揮しなくても大きな問題はありませんでした。でも明早戦のような本当のプレッシャーゲームではそうはいかない。焦らず冷静に対応できる選手が、チームのなかにどれだけいるか。それが勝敗を分ける大きなポイントだと思いま す。もしチームがプレッシャーを感じて焦っていたら、しっかりと冷静さを保って、正し い判断をして発信していくつもりです。プレーも基本的には同じ。アタックなら、味方がいてほしいところに顔を出して、スペース を見つけ出す。冷静な判断を大事にしたいですね。
ディフェンスリーダーの立場でもあるので、BKだけでなくFWも含めて全体に目を 向けながら試合に臨みます。そしてハドルのなかで、次の展開をよくできるような発言を心がけたいと思います。

PR 倉島昂大

スクラムに手応え旧友を倒して勝利をめざす

スクラムは慶應戦からいい形で組めています。立教戦の前半は少し苦戦しましたが、後半は修正して対応できました。まだまだ成長段階ではありますが、確実に強くなっています。
昨季は正直、自分に自信が持てませんでした。同じポジションのレギュラーの為房(慶次朗・現クボタ)さんがあまりに遠い存在で …。(昨季の)帝京戦でリザーブに入ったときも、最後まで出番がなくて悔しい反面、どこか安心してしまったところもありました。いまも不安がないわけではありませんが、明治の3番で試合に出ているのは信頼されている証拠だと思うので、期待には応えたいですね。
佐藤健次とは中学(横浜ラグビースクール)、高校(桐蔭学園)が同じで、それぞれ3年生のときに全国優勝した仲間です。いまは 大学で優勝を争う関係になって、日本でその3冠を狙えるのはおそらく僕と健次だけ。代表にも選ばれるすごい選手を倒さないといけないと考えると、気持ちがすごく昂ります。

HO 金勇哲

大ケガを乗り越え大舞台へ
スクラムで力を見せる

2年生の明早戦の1週間前、ジュニアの決勝(対帝京)で首を負傷しました。頸椎損傷で2度手術を受けて、復帰まで1年くらいかかりまましたが、同期や家族など多くの人に支えてもらって本当に感謝しています。とくにコーチの滝澤(佳之)さんには、「また強くなって帰ってくることを信じている」というメッセージをいただいて、力になりました。
スクラムは低さやまとまりの部分で力がついたと感じます。ただ個人の課題は少なくありません。僕はお尻が落ちる癖があって、そ のせいでLOの押しをもらえないときがありますし、相手の2番と3番を肩でもっと押さえないといけない。このあたりは常に意識するようにしています。早稲田の対面の佐藤健次は代表にも選ばれて、 試合中も自信満々で向かってきますが、春に組んだときには負けて いるとはまったく思いませんでした。まずは憧れの明早戦のピッチに立てるようにメンバー争いを勝ち抜きたいと思います。

LO 田島貫太郎

ラインアウトに絶対の自信
同じ大学生には負けない

ラインアウトのジャンプを評価してもらえるときもありますが、 背の高い選手は他のチームにもいます。それでも競り勝つために持っている知識を活かして、サインチョイスを変えるといった工夫をすることをいつも考えています。
同時に試合に出場する機会の多い佐藤大地はLOらしい、本当に信用できる選手です。ワークレートが高く、アタックも強くて、コンタクトが大好き。ラインアウトに関しては2人でリーダーシップを取っていて、ミーティングへ出るのも、コーチとの話し合いも一 緒に行動しています。関係は良好だと思いますよ。向こうはどう思っているか、はわからないですけど(笑)。
出場できれば初めての明早戦です。3万人、4万人の前でプレー すると思うと緊張しますが、いちばんのライバルと言っていいチー ムに勝って、まずは対抗戦で優勝したい。ラインアウトも僕のところで取れれば、同じ大学生には負けない自信があります。

LO/寮長 佐藤大地



セットプレーで圧倒する
早稲田を波に乗らせない

田島(貫太郎)はいまの明治にすごく必要な選手です。スキルのレベルもとても高いですし、ラインアウトの場面では本当に頼もしい。メリハリをつけられるタイプで、試合になるとすごくしっかりする。頼りになるLOだと思います。 今季はモールを武器にできています。まとまりがよく、ズラす形もうまくいく場面が多いですね。杉本(晃一)コーチのアドバイスもありますし、自分たちで工夫できている部分も大きいです。
明早戦はお客さんの数も多くて、そういう環境で試合ができるのは本当に楽しみです。伝統ある大きなゲームに出ることが、いつも僕の試合を見てくれている祖母をはじめ、応援してくれる家族へのいちばんの恩返しになるとも思っています。
今年の早稲田はスクラムが強く、そこで波に乗るきっかけをつくらせたくありません。僕たちもすごく力を入れて取り組んでいるので、逆にセットプレーで圧倒したいと思います。

FL/FWリーダー 福田大晟

ディフェンスを改善
早稲田に自由を与えない

春シーズンの課題だったディフェンスが、夏を経てよくなってき ました。まだ完成ではありませんが、落とし込んだシステムを全員がしっかりと理解したうえで、「ゴール前でも簡単に取らせない」「ボールを奪う」というマインドで取り組めています。80分間ハードワークできるようになったのも大きな変化です。ブレイクダ ウンも、春から主将の(木戸)大士郎や首脳陣に厳しく言われてきました。ここで勝てないとラグビーそのものでも勝てない。FW、 BK関係なく、その重要性を理解できているのは大きいと思います。
4年生のシーズンが始まって、一日がすぐに過ぎていく感覚が あります。朝練から気づけば、「もう(午前)11時か」と思ったり ……とにかく昼寝をしなくなりました。その分、周りとコミュニ ケーションを取ったり、自分の時間を大切にしています。
今季の早稲田は細かいパスやオフロードがうまい。自由にさせないためにも、ブレイクダウンのセカンドマンが重要だと思います。

WTB/BKリーダー 安田昂平

4年生の自覚をもって

アタックはFW、BKを含めて15人全員がオプションになる攻め方をめざして、それが浸透しています。HCが(高野)彬夫さんに変わって以降の象徴のようなもので、相手にとっては脅威だと思います。ディフェンスも同じです。先日の筑波戦がそうだったように、グラウンドにいる15人が誰も手を抜かず、タックルやバッキングアップ、ターンオーバーをしていく。その意識で臨んでいます。
シーズンも深まって、とくに4年生は「やらなきゃいけない」とい うスイッチが入りました。でも(創部100周年だった)昨季のよう なピリピリした雰囲気とは少し違います。今季はより一層、みんな が一体となってチームをつくっている感覚があります。
テーマが「奪還」である以上、当然、早稲田にも負けられませ ん。強くて隙のないチームですが、自分にとっては最後の明早戦です。自覚をもって4年生らしいプレーをしたい。昨季のようにランやトライで貢献して明治を勝利に導きます。

FB 金昂平

攻撃のスピードがポイント
やれることは全部やる

バックスリーはWTBのメンバーが春とは変わりました。僕から見ても、独特ないいものを持った2人です(※海老沢琥珀と白井瑛人)。それにアグレッシブで元気。そこを解放させつつも、4年生の自分が抑えるところは抑える。とにかくエネルギッシュなの で、一緒にプレーしていて楽しいですね。
今季の早稲田はチームとして「賭けている」感じがします。ジュニアの試合でもわかりましたが、ディフェンスで立っている選手が多くて隙がない。それでもいかにスペースを見つけられるか。A チームにはいいキッカーもランナーもいるので、我慢の試合になるのではないでしょうか。どちらが速くセットして仕掛けられるか。 そこが勝負を分けるポイントだと思います。明治もシーズン当初からスピードにはこだわってきたので負けたくないですね。
明治に入ろうと思ったきっかけが明早戦。この試合を目標にがんばってきたので、出られたら自分ができることは全部やります。