新しい地図を描かなければならないキャプテンは、強い覚悟で大学日本一の「奪還」をめざす。
「お前しか おらんやろ」
1年生のころから(飯沼)蓮さん、(石田)吉平さん、(廣瀬)雄也さんと歴代のキャプテンに、「お前しかおらんやろ」と言われ続けてきました。だから予感があったというか、学年会議で指名されると、自然と覚悟が決まりました。ただ雄也さんには、「冬(のプレッシャー)はやばいぞ」と聞かされているので、そこはちょっとだけ怖いですね(笑)。 心がけているのは、とにかく気負い過ぎない、背負い込み過ぎない。神鳥監督も「自分らしくやれ」と。優秀な人が多いので、任せられるところはどんどん任せる。自分で全部をしようとしないのが大事だと思っています。あとは周りへの声かけ。1年生はわかっていない部分もまだまだ多い。そこは4年生全体で我慢強くやっていきたいですね。前に出る姿勢を 背中で示す
(春季大会の)帝京戦は去年戦ったときに差があると感じた、ボールを持っていない時間帯の動きがよかったと思います。それとディフェンスのシステムを少し整備して、みんなが徐々に理解して実践できていました。早稲田戦(26●36)、帝京B戦(5●67)と負けが続いて、勝ちたい気持ちが強かったのも大きかったですね。練習で積み重ねてきたものを出さないと試合には勝てません。それを出そうとして出せたことに意味があると思っています。FWの課題はスクラムです。セットプレーは明治の心臓なので、どれだけドミネートできるかが大事。ほんまにやっていかなあかんところです。
帝京のスクラムは、自分たちもよくなかったので、組んでも勝てる感じはほとんどしませんでした。完全にドミネートされて、レフリーの印象も相手のほうが断然いい。そこを変えるのは難しかったですね。
早稲田は正直、強さ自体は(昨季と)それほど変わっていません。違いを感じたのは、レフリーとのコミュニケーション。ずっと話していて、味方につけるのがうまいと思いました。
(コーチの)滝澤さんには、フロントローのセットアップを指摘されています。その駆け引きを含めてやられました。もちろん一列目だけの問題ではないですけど、ほぼ全員、去年とはメンバーが変わって、経験が足りないのも原因です。常に自分たちの形をつくって、レフリーともコミュニケーションをよく取る。要は全部ですね。ここから成長していきたいです。
自分はナンバーエイトでキャプテン。そこを任されている以上は、体を張り続けないといけない。明治の根源の「前に出る姿勢」をアタックでもディフェンスでも背中で示したいですね。「前へ」を引き継ぐためにも、思いや責任を感じながらプレーします。うまくいかない時期や試合があったとしても、最後は絶対に「奪還」します。