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ALL FOR Meiji 大学選手権決勝に出場した4年生が振り返る明大ラグビー(VOL.36)

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大学日本一に、あと一歩届かなった節目のシーズン。
それぞれのポジションや立場で実力とリーダーシップを発揮した、7人の最上級生に話を聞いた。

PR/床田淳貴
スクラムは負けたとは思っていない


決勝のスクラムは、組んだ感触も悪くなかったです。はっきりと勝った感触はありませんが、五分五分だったかな、と。負けたとは思いませんし、マイボールではクオリティボールを100%出すという目標を立てて、それも達成できた。全体的にはよかったと思いますね。アーリーエンゲージがお互いに多かったのは、自分たちの形で組みたかったから。僕らも帝京も相手を自分の土俵に引きずり込もうとして、こちらも譲る気はありませんでした。ただ、HOの江良(颯)はレフリーとのコミュニケーションを含めて全体のコントロールがうまかったですね。ワンプレーごとにレフリーと話すので、結果として相手の印象がよくなる。改めて「うまいな」と感じました。
 スクラムは力で押し合うプレーに見えるかもしれませんが、ぼくは頭を使って柔軟に対応していくものだと考えています。すべての相手を力でねじ伏せるのは難しいので、後輩たちにはいろんな選手と組んで、その都度確認しながら工夫と対策をしてほしい。そうすれば試合中の対応力も上がるはずです。もともと力はあるので、全員で勉強を重ねていけば、より強くなれると信じています。いまの後輩には頼りになる選手しかいません。最初は苦労するときもあると思いますが、それは毎年同じなので、絶対に大丈夫。競争して必死に取り組めば、必ず結果はついてきます。OBの一員として応援しています。

HO 松下潤一郎
伝統あるチームでスクラムを学べたのは大きな財産


  いまは達成感が強くあります。決勝ではすべてがうまくいったわけではないので悔しい部分はあるにせよ、全力は出し切れました。4年間を振り返ればキツいことにも耐えてがんばったので、自分で自分を褒めたいです。
 決勝のスクラムは、帝京のファーストヒットに重さと強さを感じました。 明治が狙っていたセットアップは「そこに居る」。相手は2番と3番がぼくの肩をあげる形で組んできましたが、浮いてしまうと崩される。そうならないように低く下に居続ける意識で臨みました。何本かはうまくいきましたが、今季の帝京のスクラムはすごく強かったので、なかなか難しかった。全体的には最低限の仕事はできたと思いますが、本音としてはもっと押したかったですね。
 ラインアウトは会場に飲まれたというか、硬くなって、とくに序盤のスローイングはクオリティを出せませんでした。できるだけ後ろで取りたかったのですが、相手も競るのが上手でプレッシャーを感じてしまって…。中断中に「楽しもう」の声があがって、気持ちを切り替えてからはうまくいくようになりましたが、ここも少し悔いが残ります。
 でも伝統あるチームでスクラムを学べたことは、僕の財産です。浦安(D-Rocks)に入団しますが、これからのラグビー人生に活かしていきたいと思います。

PR 為房慶次朗
頭を使ってスクラムに 取り組んでほしい


 決勝は積み上げてきたものが通用しない場面も多くて、めちゃくちゃ悔しかったですけど、いまは次のステージ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)に向けて気持ちを切り替えています。
 スクラムは、相手ボールではプレッシャーを受けましたが、マイボールでは怖さはなかったですね。安定してボールを出せました。帝京は3番をあげるスクラムを組むので、1番の選手を助けるためにもHOに寄る意識を持っていました。ただ予想外だったのは、バインドのときに掛けてこなかったこと。ここは想定できたはずなので、準備が足りなかったのかもしれません。重さも他のチームとはまったく違っていて、押し切るのは難しいとも感じました。後輩たちにアドバイスするとすれば、よく考えて取り組んでほしいですね。さっきも言ったように帝京はすごく重たいので、まともに組んでも勝つのは難しい。頭を使ってスクラムと向き合ってもらいたいです。
 いま4年間を振り返って言えるのは、同期が大好きでした。寮生活は楽しかったですし、いい思い出はいっぱいあって、これというのが思いつかないくらいです。本当に充実した毎日を過ごせました。支えてくれたファンの皆さんにも感謝しています。来季以降はずっと優勝してくれると思うので、引き続き、応援をお願いします。最後に後輩たちへ。来季は弟(幸之介)が入部します。厳しくしてやってください。

PR 中山律樹
難しい状況で 成長できたシーズン


 7月の初めに手術をしました。菅平合宿(8月)で予定通り復帰できたのですが、この時期に同じ1番の床田が結果を残して、スタメンからリザーブに回ることになって…。正直、対抗戦の当初は気持ちのつくり方が難しかったのです。でもジュニアで主将を任されたことで変わっていきました。本来キャプテンタイプではありませんが、チームの雰囲気をよくするために、下級生にメンタル面のアドバイスをしたり。自分自身、成長させてもらったシーズンでした。
 決勝を振り返ると、帝京は準備したことをたくさん出せて、ぼくらはそれに完全にやられてしまったという感じですね。スクラムもまとまりがあって、8人全員の意思統一ができていました。明治も負けないくらい練習で積み上げてきたのですが、帝京のほうが力を発揮していたと思います。形としては、上から下につぶされるような感覚。体重で上回られているとはいえ、同じ大学生なのでレベルに大きな差はないと思うのですが、それでも重みを感じました。
 後輩たちには紫紺のプライドを持って取り組んでほしいと思います。学校と部活を両立しないといけない厳しい環境ですが、どちらもがんばっていればラグビーの実力も向上していくはずです。レベルが拮抗しているときに違いをつくるのはセットプレー。とくにFWには、もっともっとがんばってほしいですね。

FL 森山雄太
つらいときも ブレない心を持ち続けてほしい


 帝京との決勝は、負けたので当然悔しさはあります。それに加えて、最後までグラウンドに立てなかった。同じFLのポジションで試合に出られなかった同期や後輩に申し訳ない気持ちが強いですね。
 中断するアクシデントもありましたが、ずっと気を引き締めた状態だったので、いつでも再開できるだけの用意はできていました。一部には、この中断された時間を帝京のほうがうまく使って調整できたという報道がありましたが、これには強く反論したいですね。明治もきちんと準備していたからこそ、中断明けにトライを取れた。それがなによりの証明だと思います。
 帝京に勝つには――明確に答えるのは難しいですが、選手一人ひとりが後悔のないように精一杯練習するしかありません。 ぼく自身、下級生のときに大きなケガをして、気持ちが折れそうになりましたが、「負けたくない」一心でがんばったことで、メンバーに選ばれるようになったので。つらいときも当然あると思います。それでも悪い方向に流されず、ブレない心を持ち続けてほしい。そうすれば、いい結果が待っているはずです。
 最後にファンの皆さん、4年間応援ありがとうございました。熱い声援のおかげで何度もがんばろうと思えました。本当に感謝の気持ちしかありません。次は後輩たちが優勝してくれると思うので、引き続き、応援をよろしくお願いします。

SH 萩原周
全員で努力を続け 完全燃焼できた4年間


 完全燃焼というか、燃えつきました。4年間みんなでがんばってきたので。決勝の映像は少しだけ見返しました。キックの精度を含めて、大舞台で普段の自分のスキルが出せなかった。もう少し試合を想定した準備ができていればよかったですね。
 ただ、前半最後のトライは一年間積み上げてきたものを発揮できたと思います。1本目は速いテンポでボールを出すことを意識しました。相手のディフェンスのセットが遅れますし、FWもどんどんゲインできる。あとはボールが濡れて滑りやすかったので、丁寧に扱うように心がけました。2本目は本来、(伊藤)耕太郎が動いて、相手も釣られたら右(オープンサイド)に行くサインプレーでした。でも相手は動かず、ショートサイドにいたのはSHとWTBの選手だけ。そのまま放ってトライに結びつきました。総合的には、帝京はうまくて強かった。とくにFWのフィジカル。今季の明治もかなり鍛えましたが上回られました。来季以降の勝敗を分けるポイントになると思います。
 日本のトップクラスのチームで成長したいと考え、(埼玉パナソニック)ワイルドナイツに決めました。実は自分から売り込んだというか、そのときは「来てもいいよ」くらいの反応でした。それから試合を見てもらう内に「来てほしい」と。成長を認めてもらえて嬉しかったですね。腐らず地道に努力を続けて、いずれはチームに必要とされる選手になります。

SO 伊藤耕太郎
大学ナンバーワンの SOだと証明できた


 同期には本当に恵まれたと思います。ラグビーに対する意識に差がなく、ひとつの目標に向かってまとまれる学年でした。とくに大学選手権に入ってからのサポートや応援の力は大きかったですね。ぼくたちも100%の準備をして試合に臨まないといけないと思えたし、「チームメイトのために」という気持ちが強くなりました。決勝ではいままででいちばん大きな声で校歌を歌いましたね。感謝の気持ちを込めながら。
(決勝でアシストした2本目のトライは)相手の立ち位置を見て正しい選択ができ、全員がやるべきことを遂行して、(海老澤)琥珀が取り切ってくれた。後半はミスも増えて帝京にスコアされましたが、チームの力そのものはそれほど変わらないと感じました。相手以上に泥臭く、ひたむきなプレーを徹底すれば、勝つチャンスは大きくなると思いますね。
 今季は大学でトップのSOになるという目標を掲げていましたが、代表合宿に呼ばれたことで、それを証明できたと思います。(HCの)エディーさんにも「大学ナンバーワンのSO」と言ってもらえて嬉しかったですね。アタックのバリエーションが増えた一方でミスが減り、チーム全体を見られるようになった。多くの点で成長できたシーズンでした。日本代表への意識がますます高まりましたし、まずはリコー(ブラックラムズ東京)で試合に出てアピールするところから始めたいと思います。