vs.早稲田 ガチンコ勝負論
最上級生の主力10人が語る
「勝利への決意」
新国立競技場で2年連続の開催となる明早戦。選手権でどれだけ勝ち進もうとも、4年生にとっては泣いても笑っても最後となる、伝統の一戦です。各ポジションでキーマンになるであろう最上級生の10選手に、「勝利への決意」を語ってもらいました。
PR/床田淳貴
HOとの「寄り」を意識 明治の形で早稲田を押し崩す

スクラムでこだわっているのは、まとまり。1番は右肩しか当てないので左肩は自由です。そのぶん、力のかかり方が左右非対称になり、HOと離れがちで、パワーが分散してしまう。常に「1番と2番はセット」の意識を持って「寄り」を大切にしています。もっとも大事なのは、最初のセットアップ。相手がどんな組み方をしてきても、自分たちの形は絶対に崩さない。どれだけ個々に力があっても、しっかりとした姿勢をとれなければ押せません。やはり、いかに8人全員でまとまれるか、がポイントです。
早稲田のスクラムは、弱いとはまったく思いません。気を引き締めないとやられます。常にセットアップで自分たちの形、姿勢をつくる。それができれば、おのずと結果はついてくるはずです。
HO/松下潤一郎
セットプレーを安定させて流れを明治に引き寄せる

PR/為房慶次朗
スクラムに絶対の自信 FWで圧倒する

LO/副将 山本嶺二郎
FWで圧倒して早稲田の心を折る

LO/亀井茜風
チームの底上げに尽力 ラスト明早戦はハードに戦う

Aは23人全員で戦わなければ勝てません。そのためにもリザーブに入ることの多いジュニアの選手は、もっと力をつける必要がある。とくに1年生は能力はすごく高いのに、どこか遠慮がちで、もっと前に出てきてほしい。だから最近は発言を最小限にとどめています。すると(伊藤)利江人や(海老澤)琥珀あたりは口数も増えて、徐々に変わってきました。ジュニアにいればAで出るチャンスは常にあるので、当事者意識を持ってもらいたいですね。
最後の明早戦は立場に関係なくチームのために戦います。もし試合に出られれば、激しく身体を当てるハードなディフェンスを見せます。相手のラインアウトも必ず1本はスチールしたいですね。
FL/森山雄太
リコーとの合同練習で急成長したモール

昨季が初の明早戦。国立競技場での試合も初めてでした。お客さんの数や歓声の響き方がまるで違う。緊張感とワクワクする気持ちが同時にわいてきたのをいまでも覚えています。脳震盪で途中退場してしまいましたが、自分の力は最大限出せました。
早稲田はBKの展開と球出しが速いチーム。例年と変わりません。自由にやらせないためにも、アタック、ディフェンスともに前に出てチームを勢いづけるのが仕事。刺さるようなタックルなど自分の持ち味をたくさん出したいですね。
SH/萩原周
アタックは完璧に近い感触 FWが前に出れば絶対に勝てる

対抗戦は攻撃も守備も練習で取り組んできた成果が出せています。とくにアタックは完璧に近い感触。勢いをもって攻めれば大きくゲインできるとわかりました。あとはディフェンスの精度を上げれば十分に優勝が見えてくるはずです。自分のプレーも手応えがあります。春からOBの西田(英樹)さんが週末に来てくださって、試合ごとにアドバイスを受けられるのが大きい。視野の確保、試合中の状況判断、ディフェンスの危機管理など意識したいところを教えてもらっています。積極的に仕掛ける場面や、トライにつながるパスが増えたのは西田さんの指導のおかげです。アタックは完璧に近い感触 FWが前に出れば絶対に勝てる
早稲田はボールを振るのがうまい印象。昨季のようにFWにゲインラインを切られ、大外のスペースをBKに使われないようにしたいですね。ただし、外に振る力は明治が上。FWが前に出られれば、絶対に勝てます。本当に負けたくない試合なので、必死のセービングなど地道なプレーを怠らず、勝利をめざします。アタックは完璧に近い感触 FWが前に出れば絶対に勝てる
SO/伊藤耕太郎
最後の明早戦 見る人の印象に残るプレーを

BKは今季、すごく成長しています。昨季まではうまくトライを取ろうとしすぎて、手詰まりになるケースが多くありました。今季は「デストロイ」をテーマに掲げて取り組んだ結果、一人ひとりがタテへの強さや意識を常に持っています。アタックにモメンタムが生まれ、オフロードを含めて、きれいな形で崩せる場面が増えました。ぼくもプレーを判断するときには、「ダイレクトに強く」をオプションのひとつとして、いつも想定しています。 早稲田は例年通り試合巧者で、多くの選手が複数のポジションをこなせます。伊藤大祐が13番に入っているのも早稲田らしいですよね。SOとWTBの間に大祐がいるのは、正直、嫌です。自由にボールを持たせると苦しい戦いになるはず。そういう展開を避けるためにも、試合開始から明治のラグビーを徹底したい。ぼくにとって最後の明早戦。チームの勝利を最優先に考えながら、お客さんの印象に残るプレーもこの大舞台で見せたいと思います。
WTB/西川賢哉
最後の明早戦 見る人の印象に残るプレーを

父から受け継ぐ紫紺のDNA 積み上げてきたものを徹底する 力強いランや運動量、アタックラインでオプションになる動き。こうした強みを本番で発揮できるようになって、スタメンの機会が増えました。もちろん下級生に負けられない気持ちもありましたが、まずは自分自身に集中することが大事。やるべきプレーにフォーカスを向けられたのがよかったと思います。
明早戦は伝統の一戦。父(松吉さん)も明治の出身で、LOやFLでいくつかのゲームにはメンバー入りしていたそうです。父から話はよく聞いていたので、いつかは出てみたいと思っていました。
春季大会では勝ちましたが(45〇24)、シーズンが深まると仕上げてくるのが早稲田です。桐蔭学園時代の同期の伊藤(大祐)を中心にすごくいいアタックを仕掛けてきます。そこに飲まれないというか、ぼくらもいいディフェンスをして、しっかり止めたいですね。特別なプレーは必要ありません。これまでの練習で積み上げてきたものを徹底するだけです。
FB/池戸将太郎
目の前の試合に勝つ シンプルな思考で伝統の一戦に臨む

9月に負ったケガは想定以上の時間がかかりましたが、ここにきて回復も進み、明早戦には間に合うと思います。最上級生になって、ようやく出場機会も増えたところでの負傷。無理をしてでも出たいですし、この先の大事な試合を見すえれば我慢もしないといけない。本当にもどかしいというか、複雑な時間でした。
チームを外から見ていると、成功するかどうかはともかく、各試合のフォーカスにチャレンジする姿勢はいいと感じました。実際、ゲームを重ねるごとにミスも減っています。昨季よりもこまかいミーティングが増えて、コーチ陣の要求が明確になった。実行力が高まった要因はそのあたりにあると思いますね。
今季の早稲田はFWとBKのバランスがよく、トライパターンも豊富なチーム。昨季、最後に負けた相手なので悔しさは晴らしたいですが、その気持ちが強く出すぎるとうまくいかないかもしれない。「目の前の試合に勝つ」。シンプルに考えて臨みたいですね。