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9年ぶりの国立決戦!! 明早戦勝利に懸ける4年生の意地(VOL.32)

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新たに生まれ変わった聖地で迎える、9年ぶりの「国立決戦」。永遠のライバルとの大一番に向けて舞台は整った。勝利が義務づけられる一戦。そのカギを握るのは、やはり最上級生の存在だ。胸に秘めた決意の言葉、想いを聞いた。  

PR 中村公星
スクラムで押し勝ち明治にいい流れを引き寄せる



 ゲームへの入り方やリスタートは、今季も課題だと感じています。そこでミスが出ると、相手に主導権を渡してしまうので修正しないといけません。特に開始10分やトライを奪った直後は、ディフェンスの意識を強く持つようにしていきたいですね。
 スクラムに関しては年々、どのチームも力を入れてきています。個々の力で押していくのは限界があるので、FW8人でまとまったスクラムを組む必要があります。相手によって押し方を変えるなどの細かいテクニックはあるにせよ、まずは8人でまとまらなければなにも始まりません。相手との力が拮抗すればするほど8人で組めるチームが有利なのは間違いないので、さらに意識を高めていきます。
 1番の選手として常に心がけているのは、2番(HO)の選手にしっかりとくっついて「ニコイチ」で組むこと。スクラムが割れてしまうと、相手の3番に好き勝手されてしまうので、特に注意が必要です。今季、2番のスタメンになることが多い松下(潤一郎)は、まだ経験が足りない部分もあるので、「精度をあげるにはどうすればよいのか?」という話はよくするようにしています。
 早稲田のスクラムは8人がよく固まっていて、どちらかと言えばカウンター狙い。明早戦はそのスクラムで押し勝って、明治にいい流れを持っていきたいですね。

PR 大賀宗志
明早戦は心の勝負。スクラムは絶対に負けられない



 現状、ケガの影響で対抗戦には出場できておらず、副将の役割を果たせていません。申し訳なさがある一方で、グラウンドでは(中村)公星がFWを引っ張ってくれているので、自分は治療に専念でき、安心して任せられます。本当に感謝の気持ちしかないですね。目標は明早戦での復帰。おそらく間に合うと思いますし、既にスクラムの練習には参加していて感触も悪くありません。
 実は対抗戦が始まる前、4年生で学年会を開きました。お酒も入り、ペガサス、ルビコンも関係なく、思っていることを言い合ったのですが、同じ副将の(齊藤)誉哉の言葉が響きましたね。普段は冷静なあいつが涙を浮かべながら、「ルビコンも含めてチーム全体で日本一になりたい。モチベーションのさがる後輩もいるかもしれないけど、4年生で引っ張っていこう。全員が応援しあえるチームになろう」と。お互いの理解が深まりましたし、改めて、全員で日本一を目指す決意を固められました。
 早稲田は今季、FWを強化しています。スクラムも昨季のようには押せないかもしれませんが、明治も当然プライドを持っているところなので絶対に負けられない。明早戦は技術ではなく、心と心の勝負。技術に多少の差があっても気持ちが強いほうが勝つ試合です。こうした独特の難しさは後輩にもしっかり伝えて臨みます。

LO 武内慎
誰よりもハードに、タフに。80分間身体を張る



 最上級生だからチームを引っ張らないといけない。シーズン当初はこうした気持ちが先行して、使命感に駆られ過ぎていました。しかし、ゲームに出ているメンバーは下級生を含めて全員がしっかりしています。だからこそ必要以上に力むのではなく、自分を犠牲にしてチームに貢献するという考え方に変えました。自分ができる仕事、つまり身体を張るプレーを追求した結果、少しずつパフォーマンスもあがっています。チームがよくなる時期ともリンクして、「自分の色」をさらに出しやすくなりましたね。
 チームディフェンスにも手応えがあります。今季はOBでクボタのコーチの高野(彬夫)さんに来ていただき、ディフェンスのシステム化を図りました。ポイントのひとつは、ブレイクダウンでのふたり目のファイト。僕らは「ツインファイト」と呼んでいますが、ボールに絡んで相手の球出しを遅らせ、その間にディフェンスラインの人数を確保する。その瞬間はキツくても最終的には失点を減らせるので、今後も精度を高めていきたいですね。
 今季の早稲田は例年以上にヨコに展開する印象で、FWにもBKにも走れる選手が多くそろっています。相手ボールはできるだけ停滞させたいので、9番、10番には常にプレッシャーをかける必要があります。そして誰よりもハードに、タフに動く。80分間、身体を張り続けます。

FL 楢﨑海人
激しいプレーで自分からチームを盛りあげる



 日体大戦(9月18日)が、対抗戦で初めて紫紺を着たゲームでした。もともとバックアップメンバーだったのですが、試合直前にケガ人が出て、30分前に「楢﨑、行くぞ」と。でも常に準備していたので、予測が難しい状況にも対応できました。出場時間は20分ほどでしたが、自分の強みである強いボールキャリーは発揮できたと思います。
 いま振り返ると、ひざを二度手術するなど、常にケガと向き合わざるをえなかった4年間でした。入学早々に負傷して最初の1年間はまったくプレーできず、昨年10月に2回目の手術を受け、復帰できたのが今年の春シーズン。もうこれ以上ケガはしたくないので、トレーニング後は入念にストレッチするなど、身体のケアには人一倍気を使っています。そのうえで、課題であるワークレートを高めて、シーズンの最後までレギュラーを狙っていきます。
 高校時代に明早戦を観ていたときは、「このレベルについていけるのだろうか」と不安に思っていましたが、入学後は試合の意味や重要性を知って、出たいという気持ちが強くなりました。ゲームに出るとなればきっと緊張すると思いますが、他の選手よりも動いて、泥臭い仕事を必死にやるだけです。激しいプレーで、自分からチームを盛りあげていきたいですね。

CTB 齊藤誉哉
状況に応じた流動的なアタックをどんどん仕掛けたい



 主将の(石田)吉平や同じ副将の大賀 齊藤誉哉に負傷があった関係で、今季はチームのまとめ役を任される機会が多くあります。リーダーに求められるのは、チーム内でいちばん身体を張る姿勢。そのことは歴代の主将を見て理解していましたし、特別な責任を感じながらプレーできるのは、本当に貴重な経験です。また、ポジションが13番にコンバートされたのも大きな変化でした。SOよりも後ろのポジションなので相手の隙を見つけやすく、より広いスペースでボールをもらえる。外で勝負するのも好きですし、思い通りに動ける場面が多いのでプレーしていて楽しいですね。
 今季の10、12、13番は、全員がいずれのポジションでもプレーできるのが大きな特長です。各選手がアタックの選択肢を多く持っていて、たとえばSOがブレイクダウンに巻き込まれても、他の選手がカバーできます。さらに、お互いが意図を感じながらプレーできるのも強み。事前の決め事はなにもなく、状況に応じてポジションを入れ替えているので、相手は的が絞りにくいはず。こうした流動的なアタックはどんどん仕掛けていきたいですね。
 早稲田で注意する選手はBKの槇瑛人。中学のスクール時代から知っていて、当時も腰の強いランを見せていました。僕自身はチームの核となって、身体を張り続けます。期待してください。

WTB 原口虎太郎
個でも突破できる力を身につけてトライを狙う



 チーム全体のアタックは、今季ここまでは機能していると思います。ただ、うまくいかなかったときの打開策が課題ですね。学生コーチの小林瑛人からも指摘されているのですが、個人でなんとかできるというか、ラインブレイクできる選手が今季は少ない。ひとりで打開できそうなのはキャプテンの(石田)吉平と(伊藤)耕太郎くらいなので、チームの約束事としてプランBを常に用意しておかないといけません。僕自身も個の力を伸ばして、ラインブレーカーの役割を果たせるようになりたいと考えています。
 今季が本格的にラグビーをやれる最後の年。来季について考える必要がなく、ミスしてもチャレンジするしかないので、気持ちはポジティブです(笑)。チーム全体のまとまりもいいと思いますよ。例年、シーズンが深まると、試合そのものがなくなる下のチームの選手はモチベーションがさがりがちです。でも、ルビコンで頑張っている同期の關根(瑞己)が「今季は最後までひとつになろう。(上のチームを)応援しよう」と常に口にしてくれていて、チームの雰囲気も上向いています。
 早稲田は対抗戦に入って想像以上に力を伸ばしていますが、僕は「ミスを恐れずに、思い切って楽しむ」という姿勢で試合に臨むだけ。ラインブレイクを連発して、トライも狙います。