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【神鳥裕之監督】「セットプレーでプレッシャーを かけ、BKで仕留める」(VOL.32)

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大学選手権でのリベンジが叶ったとはいえ、伝統の一戦では土をつけられた昨季。そのリベンジを果たすため、どのような強化を図っているのか。指揮官の声を聞いた。  

ディフェンスをブラッシュアップ常に数的優位を保つ

 今季の対抗戦は、大きくふたつに分けられる形でのシーズンスケジュールです。先日の慶應戦はその後半戦のスタート。そこで力を発揮し、勝利できたので、一定の手応えはあります。ただし、課題からも目を背けてはいけません。アタックは、こまかな判断ミスやハンドリングエラー。ディフェンスは個々のタックルの精度。フィジカルの強いチームを相手にしたとき、ひとりがひとりを確実に止める。こうした原則的な強さや精度はまだまだレベルアップが必要だと感じました。
 そのうえで、今季、整備を図っているディフェンスをさらに磨きあげなければいけません。ポイントはコンタクトシチュエーションで、常に優位性を保つこと。相手アタッカーは複数の選択肢を持って攻めてくるので、こうした状況でも強いコンタクトでディフェンスができるように日々トレーニングをしています。
 伊藤ヘッドコーチを中心に、スポットで定期的に来てくれている、高野彬夫君(2005年度主将)と連携し、うまく落とし込んでくれているので、シーズンが深まれば完成度はさらに高まるはずです。

スピード×パワー×重量 すべてを掛け合わせた新たな形のフィジカル強化

 また、今季の大きな強化ポイントのひとつであるフィジカルの向上も、ここまでは順調に進んでいます。帝京はかつての明治のような、見た目にもわかりやすい派手な強さを持っていますが、我々は我々の価値観を信じて、どのチームよりも上回りたい。重視しているのは、スピードとパワーと重量を掛け合わせたうえでのコリジョン。すべての要素を最大限に発揮した、新しい形のフィジカルの強さをこれからの試合でも見せていきたいと考えています。
 早稲田は対抗戦を見る限り、春季大会で戦ったときよりも身体が大きくなった印象を受けます。あくまで想像ですが、昨季の対戦で我々が主導権を握ったスクラムに対抗するための準備なのではないでしょうか。とはいえ、我々も負けるわけにはいきません。セットプレーでプレッシャーをかけ、才能豊かなBKで仕留める。勝って優勝を決められるゲームにしたいですね。
 

(※以下、編集部質問:この対抗戦では、特に森山雄太選手と福田大晟選手の両フランカーが、その新たな形のフィジカルの強さを見せてくれているのではないでしょうか?)


 そうですね。森山はボールキャリー、タックルのインパクトなどコリジョンの激しさで力を発揮できるタイプ。一方の福田はワークレートが高く、80分間、一貫性を持って働き続けられるタフネスがあります。さらにブレイクダウンでのボール争いにも強く、オープンサイドフランカーに必要な能力を兼ね備えています。贔屓目なく見ても、大学トップレベルの選手たちですから、この明早戦でもぜひ力を発揮してもらいたいですね。