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【石田吉平主将】「主将でエースの自覚を持ってトライを取る」(VOL.32)

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新たな国立競技場で行われる、9年ぶりの明早戦。宿敵であり、好敵手でもある早稲田との伝統の一戦を前に、石田主将は「絶対に勝つ」と強い意気込みを見せる。  

メンタルの波をなくしやるべきプレーを遂行できるチームに

 立教戦(10月2日)での負傷は想像以上に重く、当初は明早戦に間に合うかどうかわからない状態でした。もっとも頑張らないといけない時期にチームから離れるのは苦しく、申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、一日でも早く復帰するのが主将である自分の責任。さらに、負傷する前よりも強くなるというモチベーションでリハビリに取り組んだ甲斐もあり、思ったよりも早く回復できました。(齊藤)誉哉をはじめとする選手からは、「帝京戦までには戻ってきてほしい」と言われていたので、その期待に応えられて、ひとまずは安心しています。
 約1カ月間チームを外から見ていて気になったのは、不安定なメンタル。試合や状況によって浮き沈みが激しく、出来不出来の差が大きかった。試合ごとに、フォーカスすべき点やターゲットを明確にして、本番で遂行する力を身につけなければいけないと感じました。その意味では、先日の慶應戦は落ち着いた試合運びができていたと思います。全員が相手にリスペクトを持って臨み、よい結果につなげてくれました。慶應がキックオフから激しいフィジカルバトルを仕掛けてくることは想定通り。そこでの我慢比べ、ひた向きさで絶対に負けないと決めて、実際に体現できたのは成長の証です。見ていて本当に頼もしかったですね。


 

前向きで自主的なコミュニケーションが「穴」と「隙」を埋める

 今季のBKのテーマは「マジック」です。一人ひとりが強いオプションになり続けて、見る人を魅了するアタックを仕掛ける。そのためには、各選手が自分の役割を明確に果たす必要があります。すると自然に、魔法のように抜け出すシーンが作れるようになる。これが、このマジックの「タネ」です。またポジションに縛られず、持ち場を頻繁に入れ替えられるのも今季の強み。どの選手も外側でランナーになれるし、逆にWTBがCTBの位置へ動くケースもあります。ユーティリティ性の高い選手たちが自由自在に動き、さまざまなオプションを使えるので、相手は間違いなく守りにくいはずです。
 こうしてオプションに広がりや厚みが生まれると同時に、カバーの意識も高まりました。たとえば相手のタックルを受けて、決められたポジションに入れない選手がいても、全員がその穴を埋められます。コミュニケーションも「お前が入れ」ではなく、「おれが入る」。前向きで自主的な意思疎通ができているので、目標の「日本一のBK」に近づけている手応えがあります。
 早稲田は全員がパスを放れて走れる、難しい相手ですが、明治を大学日本一へ導くのが今季の僕の責任。この明早戦も絶対に勝たなければいけません。チームを勇気づけるためにも、リーダーの名に恥じない献身的なプレーを見せたいですね。また主将であり、エースでもあるという自覚を持って、当然トライも取ります。期待してください。