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【神鳥裕之監督】「ひた向きさ、フィットネス、フィジカル。3つの強化プランで頂点を目指す」(VOL.31)

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昨季、あと一歩のところで頂点を逃した明治。
4季ぶりの大学日本一を達成するために、今季のチームに必要なものとは――。
指揮官に胸の内を聞いた。
 

今季の明治を成長させるための3つの強化プラン

 今季の強化プランは大きく分けて3つあり、選手たちには、上下三段に分かれた三角形を描いて伝えました。 まずは三段目、ベースになるのは、私が監督になってから言い続けている〝ひた向きさ〟です。 オフ・ザ・ボールでの動きや、倒れてから起き上がるまでの速さなど、誰も見ていないところでの努力に対する誇り。 これは私自身がもっとも大切にしていますし、三角形の土台、受け皿となるものです。 その上に積み重なるのが、高いレベルのフィットネス。 後半残り10分、20分の苦しい時間帯に運動量で相手を凌駕していく。 昨季も一定の成果を見せられた、いわゆる〝MEIJI TIME〟は今季も継続していきます。
 そして三角形の頂点に配置したのが、昨季の(大学選手権)決勝で帝京に上回られたフィジカルの強化です。 今季の新たな目標として、圧倒的なフィジカルを身につけていこう、と。 もちろん、ただ体重や筋肉量を増やすだけでは意味がありません。 ひた向きさやフィットネスという土台の上に、ラグビーに適したスピード・スキル・パワーを兼ね備えたフィジカルを作る必要がある、と選手たちには伝えました。
 そのフィジカルの象徴となるプレーのひとつがスクラムです。 今季に限らず、明治にとってスクラムは普遍的なもの。 歴史を振り返っても、そこで優位に立ち、主導権を握らなければいけません。 昨季は帝京に上を行かれてしまいましたが、自信を持てるものに変えていくことが今季のテーマです。 当然、まだ完成までの道半ばに過ぎませんが、レビューや反省を繰り返しながら作り込むという作業を実直に行っています。 コーチを信頼していますし、シーズン終盤にはしっかりと組めるようになると信じています。

選手から選手に伝えられた明治の文化

 いちばんのベースとなる〝ひた向きさ〟という点では、新人明早戦の敗戦(35●53/5月14日)はよい薬になりました。 負けたときは私自身も非常に悔しい想いでいっぱいでしたが、ポジティブに捉えれば、これからの4年間を過ごすうえで大きなターニングポイントになるのではないでしょうか。
 実際、試合後には主将の(石田)吉平や副将の大賀、(齊藤)誉哉が中心となり、全員を集めて自主的にミーティングを行ってくれました。 明大ラグビー部の部員として求められていることやその前提となる自覚、アティテュードについて伝えたそうです。 コーチや監督の言葉とは説得力が違うでしょうし、明治の文化が選手から選手へと継承されていくこと自体に非常に大きな意味があります。 結果だけを見れば、ファンの皆さんを心配させたかもしれません。 しかし、チームの未来を期待できる素晴らしい時間になったことだけはお伝えしておきたいと思います。
 吉平は本来、言葉で先頭に立つようなリーダーではありません。 際立った身体能力を武器に圧倒的なプレーでチームを引っ張るタイプです。 それでも選手たちに話す、伝えるということに意欲的にトライしていて、自分自身に付加価値を持たせようと日々、努力しています。 その吉平をフォローするリーダー陣のキャラクターや役割も明確ですし、幹部以外の選手もついていこうという姿勢が見られるので、最終的にはかなりまとまったチームになると期待しています。
 強化の最大のポイントは、冒頭の三角形をいかに大きくできるか。 一貫した方針で日々の練習に取り組み、皆さんの期待に応えたいと思います。