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対抗戦連覇への青写真 「本当の意味で選手主体のチームに」(VOL.26)

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新型コロナウイルス蔓延の影響で“いつもとは違う”方法での準備を強いられている今季。
それでも、できることを丁寧にやり続けていく中で、キャプテンを中心にチームは自信を深めている。  

合宿を機に増えた選手主体のミーティング

――8月の終盤に、福島県のJヴィレッジで合宿を行いました。どのようなテーマで臨んだのでしょうか。
 テーマは〝サバイブ〟で、一人ひとりが競争しながら高め合っていくことが目的の合宿でした。

――ということは、雰囲気は多少ピリついたものに?
 最終日の前日に部内マッチが行われ、そこでは実際のゲームのような緊張感が生まれましたが、それ以外の練習はいい雰囲気で、ピリついた空気は特にありませんでした。環境が変わったことで新鮮さが生まれて、とてもいい雰囲気で過ごすことができました。

――普段の八幡山の環境とはやはり違いましたか。
 まったく違いましたね。環境そのものが整っていて、グラウンドも天然芝でとてもキレイでした。いつもと違う環境に身を置くことで、チームの雰囲気がこんなにも変わるんだなと、とても驚きました。
 また、Jヴィレッジは周囲に何もなく、ラグビーを考える時間やリカバリーに充てる時間が多く取れたと思います。
3部練習が行われた日もあったのですが、その日の夜も集合して練習のレビューをしたりと、選手主体で動くことができました。これは八幡山に帰ってきてからも継続されていて、その意味でも合宿をさせてもらえて本当によかったです。

――それは、リーダー陣や4年生でのミーティングが増えているということでしょうか。
 いえ、学年は関係ありません。ペガサス、ルビコンの中でも、それぞれビブス組とノンビブス組に分かれて15対15の練習をしたりするので、ペガサスのビブス組やルビコンのノンビブス組といった形で集まります。このミーティングは、Jヴィレッジでは毎日行われていました。

――学年やポジションに関係なく集まって、より具体的なことを話し合おうという意図ですね。
 選手だけで集まることによって、翌日の練習の目的を共有しやすいですし、まとまりや統一感も出やすくなります。実際に選手主体のミーティングは増えていて、八幡山での練習の取り組みは、合宿前よりもかなり上がってきていると思います。
 
 

FW陣に生まれた明確な役割分担

――FW全体の仕上がりについてうかがいます。スクラムはいかがでしょうか。
 先日、関東学院と練習試合を行ったのですが、関東学院を相手にスクラムを組むという点ではよくできていました。完成度という意味ではまだわかりませんが、毎日スクラムのフルコンタクトに取り組む中で、フロントローの選手を中心にミーティングが行われているので、コミュニケーションという意味では昨季よりも取れているのかなと思います。

――中心になっているのは、4年生のHOの三好選手?
 そうですね、三好優作がかなり中心になって話してくれています。あとは田森(海音)や紀伊(遼平)など、下級生の中にも引っ張れる選手はいて、それは僕や片倉(康瑛)から見ても頼もしい存在ですね。

――モールはいかがでしょうか。
 最近は相当な時間を費やしていて、実際のゲームでもトライが取れるくらい強みにしていけると感じています。
片倉のラインアウトを起点に、良いチョイスからのモールを武器にしていきたいです。

――ラインアウトの中心は、やはり片倉選手ですね。
 それはもうその通りで、頼もしいです。また1年生の山本嶺二郎も、片倉を見習って成長しています。ラインアウトのチームトークは片倉が話す。スクラムのときは三好がしゃべるという形で役割分担ができているので、僕が話すのは、チーム練習のときくらいですんでいます。

自分たちで考える時間が多いシーズンに

――ここからは対抗戦でライバルとなりそうなチームについてうかがいます。まずは早稲田から。
 昨季まで主力だったBKの3選手が抜けましたが、FWは主力選手が多く残っていますし、スクラムに関しても昨季から出ている前列の選手がいるので、そういうところを強みにしてくると感じています。またBKには、1年生にいい選手が入ってきているので、昨季の主力3選手が抜けたからといって、そこまで劣ることはないのかなと思いますね。

――帝京はいかがでしょうか。
 やはりFWの接点の部分が勝負になってくるのかなと。いつもFWでゴリゴリ来るイメージなので、そこでは絶対に負けたくありません。

――昨季は下位に沈んだ慶應は?
 昨季の慶應は4年生がほとんど出ていませんでした。だから昨季からチームを作っているという印象で、今季新たなチームになったというよりも、積み上げて継続してきたものがたくさんあるチームなのかなと思います。完成度は高いチームなので注意しないといけません。

――筑波はどうでしょうか。
 昨季は前評判以上の結果を残したチームです。戦うときは油断することなく、最後まで明治らしさを出して勝ち切りたいです。

――コロナ禍の中、今季はどんなシーズンになると思いますか。
 活動自粛期間がそうだったように、ここまでは自分たちで考える時間が多いシーズンという印象です。実際に自分たちで考えたうえで何かができるチームになってきていると思うので、本当の意味で選手主体のチームになれるかもしれません。これからも少しずつ自信をつけていって、対抗戦の連覇を目指したいと思います。