明大ラグビーファンクラブ

最新ニュース

Interview 2 丹羽政彦監督(VOL.10)

このエントリーをはてなブックマークに追加

Interview 2
丹羽政彦監督
今年は恩返しができるシーズンに


監督に就任して2年。いずれの年も大学選手権では年越し直前でチームは敗れた。
土台は築けた。選手層も厚みを増した。では今の明治に足りないものは何か。3年目のビジョンを聞いた。

何ができるのかを全員が考えられるようになって初めてチームになる

ゲームに対する意気込みやパッションが足りない

昨シーズンは春から結果にこだわってきました。主将の勝木(来幸)を中心に志の高い4年生が多く、チームを変えたいという方向性を出してくれましたので、敗れはしたものの、帝京戦まではいい方向に進めたのではないかと思っています。しかし、シーズンを通して改善されなかった課題が、解消されないまま明早戦に突入しました。
その明早戦では、小倉や藤田といった相手のキーマンを抑えるという約束事を遂行しなかったことが敗因。やろうとしたことをチーム全体で理解できていれば、結果は違ったかもしれません。それだけに2年連続で期待に応えられなかったことを本当に申し訳なく思っています。また、今の明治はゲームに対する意気込み、苦しい場面でもパッションを出せる強さが足りないと感じています。
やはり、明治は闘争心が伝わるラグビーをしなければなりません。気持ちを前面に出して試合に挑むことを常に心がけていたのが明治大学ラグビー部でした。Aチームが負けたときにAチームの選手だけが悔しがっているようではチーム全体で戦うことができません。まずは部内の競争に勝って、次は相手に勝つ。こうしたことを言われなくても、当たり前にできるチームになるのが理想です。チーム内の雰囲気が悪いときには、選手同士で自然と盛り上げられるようになれば、本当の強さが出てくると思います。

目指す方向性の中でどれだけ強みを出せるか

この代の主将は中村だろうと当初から考えていました。口数は多いほうではありませんが、プレーで見せるタイプ。
冷静にゲームを見て、的確な指示を出せると思います。昨年、中村をはじめとする今の4年生は下級生時代からレギュラーだった選手が多く、キャプテンの勝木を男にしたいという気持ちで臨んでいました。最後に負けたときの申し訳なさは、相当なものでした。
実際に、主将の中村とリーダーたちを中心にしっかりやってくれていますし、CやDチームの4年生も試合を大事にしようとしてくれているので、その点は満足しています。問題はこれを1年間継続できるかどうか。目標の大学日本一に向けて、何ができるのかを全員が考えられるようになって初めてチームになるのだと思います。
ラグビーのスタイルは昨年までと変わりません。目指す方向性の中でどれだけ自分たちの強みを出せるか、その点に尽きます。昨年のデータを見ると、相手のゴール前に入っている時間は長い。しかし、スコアできないままエリアを戻されてしまう傾向にありました。逆に、帝京はゴール前に行けば、多くのチャンスを生かしてスコアしています。その精度の差を埋めるために、運動量を上げて、何としてもトライを取りきるプレーをしなければなりません。最後に強引にでも押し切って得点を奪う。ディフェンス面でも前に出ることをしていきたい。そういうチームにしたいと思っています。
今季から新たに就任した阮申騎FWコーチにも、その点を期待しています。ブレイクダウンの強化はもちろん、スクラムを押す、ラインアウトモールを押す。明治の強みを伸ばしていきたいと思います。そして、FWが前に運んだボールをさらにBKが前に出し、トライへつなげられるか。
今年は恩返しができるシーズンにしたいと思っています。他大学に比べると、照明設備がなく早朝にトレーニングしているなどの問題で練習時間が限られています。環境改善にも注力していきたい。とはいうものの、まずはすべてのトレーニングとゲームを謙虚にとらえ、しっかり準備をしていきます。