Interview 1
明治大学ラグビー部 2015 年主将 中村駿太(HO)
明治はFW が前に出てこそのチーム
丹羽監督就任以来、3年間スクラムの最前列で戦ってきた。
父も明大ラグビー部出身。明治の血が流れる中村主将の下、復活を懸ける。
「明治といえば中村」チームの象徴となる存在に
――1月に主将に就任されたことが発表されました。
昨年から学年リーダーを務めていたので、自然な流れでそうなるだろうという予感はありました。そのために、昨年から前主将の(勝木)来幸さんのそばにできる限りついて、勉強させてもらっていました。
――これまでキャプテンの経験は?
ないですね。小学校のラグビースクール以来です(笑)。ただ、昨年、U‐20の日本代表に選ばれたときにゲームキャプテンを任されて、チームをまとめるのは大変なんだということを痛感しました。
――入学後は竹内健人さん、圓生正義さん、勝木来幸さんと3人の主将のもとでプレーされてきたと思います。
明治のキャプテンとはどんな存在だと思いますか。チームの象徴ですよね。特に(竹内)健人さんや来幸さんは、明治といえば竹内、勝木というイメージを相手からも強く持たれる方だったので、そういう存在になれればと思います。
――キャプテンとしてどういうチームにしていきたいと考えていますか。
明治はFWのチームですから、FWが日本一になればおのずと目標に近づけると思うので、まずはFWを日本一にしたいですね。
――そのために必要なことは?
スクラムなどセットピースはもちろんですが、昨年の課題として残ったモールは強化していかなければいけません。
それができると思っているので、突き詰めていきたいですね。
――チームを作り始めた段階ですが、昨年までと変わった点は?
選手がコーチ陣に意見を言うことができて、お互いにうまくディスカッションできるようになりました。一昨年や昨年と比較して、そこはチームとしてレベルアップしたと思います。
――選手でチームを作っていく意識ということでしょうか。
そうですね。何かあれば、必ずリーダーが集まって、選手同士でミーティングを行います。疑問に思ったことをそのままにせず、言えるようになったのは大きいですね。練習中でも、疑問点や問題点が出てくれば、すぐに止めて話し合うような雰囲気が出てきて、選手同士のコミュニケーションはすごく増えたと感じます。
阮FWコーチによって植えつけられるパッション
――昨シーズンのことをうかがいます。
順調に来ていたチームが、帝京戦を境に歯車が狂い始めました。その原因は何だと感じていますか。強みだと感じていたスクラムが押せなくなり、迷いが生まれました。その迷いが結果につながらなくなったと思います。
相手が分析を重ねてスクラムを思うように組めなくなったなど、多くの原因がありますが、それまでの結果に満足して成長が止まってしまったことが大きかったですね。逆に相手にとっては、明治の強みを抑えられたことで自信につながる。悪い方向へと進んでいきましたね。そうした精神的な部分が大きかったです。
――中村選手はチームの好不調の波に飲まれないタイプに見えますが、今年はキャプテンということもあり、変わってくる部分はあるのでしょうか。
確かに、個人としては周りに流されるタイプではありません。しかし、春のオール早慶明で連敗(対慶應・7‐10、対早稲田・0‐21)したときはショックでしたし、主将になったことで変わってくる部分は間違いなくあります。これから準備をしっかりとしていきたいですし、それができるとも思っています。大丈夫です。
――法政戦(5月3日)ではモールでトライを奪う場面もありました。武器を増やそうという意識はありますか。
そうですね。ブレイクダウンにもこだわっていますし、阮(申騎・FWコーチ)さんが来られてから時間をかけて取り組んでいる部分です。BKには経験も能力もある選手が揃っているので、最終的にはいいチームになると信じています。
――昨年は強豪を相手にすると、接点でボールを思うようにコントロールできない場面が見受けられました。その点の改善ということでしょうか。
明治はアタックのチームなので、ブレイクダウンでいいボールが出てこないといいアタックにつながりません。
昨シーズンは、そこがおろそかになっていたのではと思います。
――阮コーチは試合中でも激しくゲキを飛ばしています。
チームにとって新しい刺激になっているのでは?そうですね。今までの明治にもっとも足りていなかったパッション(情熱)を重視されています。これまでなかったものが、阮さんによってチームにプラスアルファされていますね。
FW戦を有利に運ぶことが勝利への最善策
――この春は、どういうイメージで試合に臨んでいますか。
昨年は試合前に調整を行い、必勝態勢で臨んでいましたが、今季はあまり調整していません。結果にこだわるのは当然ですが、内容も重視して、自分たちが掲げたテーマをクリアすることを目標にやっています。
――帝京、早稲田、筑波と強豪に勝つために必要なことは?
明治はFWが前に出てこそのチームなので、まずはFW戦を有利に運ぶことが勝利に近づくための最善策。
そこをクリアしたうえで、アタックを仕掛けて、ディフェンスを構築する。まずはFW全体で取り組んでいきたいですね。
――目標はやはり対抗戦と大学選手権での優勝ですね。
そこはマストです。
――では、最後にファンの方にメッセージをお願いいたします。
今季は「責任とRevive(リバイブ)」をスローガンに掲げています。
強い明治を取り戻すために、日々努力して、結果を残したいと思いますので応援よろしくお願いいたします。
Interview 1 中村駿太主将(VOL.10)
会報誌記事
2015/04/01