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【片倉康瑛】主将・副将が回顧する2020年(VOL.27)

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片倉康瑛副将


「ラインアウトに関してはかなりの遺産を残せたと思います」
天理戦のラストプレーとなった、スクラムでの涙も記憶に新しい片倉康瑛。
副将とラインアウトリーダーを担った今季は、何を意識しながらシーズンを過ごしたのか。
話を聞いた。

 
 

〝コロナルール〟は厳しすぎたかもしれない

 コロナの影響で春季大会がなくなり、いつも行っていた合宿やチームビルディングなどいろいろなことが制約されていくなかで、リーダーを中心とした4年生で工夫しながら1年間を過ごしました。特にコロナウイルスへの感染を避けるため、うがい・手洗いを徹底し、普段の行動範囲もかなり制限しましたが、いま考えるとルールを少し厳しくしすぎたのかもしれません。僕たちリーダー陣を含めた4年生は我慢できます、ラストシーズンですから。しかし仕方のない面はあるにせよ、下級生にとってはかなり厳しいルールだったと思います。退寮して多少は自由になった立場からすれば余計にそう感じますし、本当は不満もあったのかもしれませんが、それでもよく我慢してくれた後輩たちには感謝しています。
 副将として特に気を配っていたのは、後輩への接し方ですね。キャプテンの(箸本)龍雅や、同じ副将の(山沢)京平はすごく雰囲気のあるタイプなので、後輩たちにとっては話しかけづらい部分もあったと思います。その分、僕は、寮内では柔らかい雰囲気でいるように心がけました。先輩、後輩関係なく何でも言い合えるチームが今季の目標のひとつだったので、できるだけ優しい感じでいようと(笑)。リーダー陣のひとりの梅川太我も後輩から慕われるタイプで、こうした雰囲気作りに一役買ってくれたと思いますね。

ラインアウトを突き詰められた1年

 ラインアウトは2年、3年のときからの積み重ねもあって、今季はかなり精度の高いものを作ることができました。
新しく手をつけたのは、ジャンプの部分。まっすぐに跳ぶ意識を植えつけるようにしたり、さらにはディフェンスの際のリフトにもこだわって、それこそ1センチ単位で突き詰めていきました。こうしたトレーニングに取り組むなかで、同期の(繁松)哲大や(髙橋)広大が「こだわろう」と言い続けてくれたのは心強かったです。その成果が表れたのが明早戦。ディフェンスのリフトで、村上慎がマックスの高さでのスチールに成功しました。本当に、ラインアウトに関しては大学でもトップのものを作れたはずです。
 それだけの自負がありますし、LOの後輩たちには伝えられるだけ伝えたので、かなりの遺産を残せたと思います。
本当にそうなのかどうかは、来季のラインアウトを見てみないとわかりませんが、自分としてはやるべきことをやりきりました。特に(山本)嶺二郎や(亀井)茜風、吉沢はラインアウトが好きなので、期待していますし、どうなるのか楽しみにしています。
 最後に伝えたいのは、ファンの方への感謝です。昨季の(大学選手権準決勝の)東海戦でシンビンをもらって落ち込んでいるとき、スタンドから「片倉、大丈夫! 頑張れ!」という声が聞こえて、本当に勇気づけられました。そういうチームでプレーできたことは誇りです。