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田中澄憲監督に聞く対抗戦開幕前夜(VOL.23)

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昨季日本一に輝いた明治。今季も春からチームづくりは順調だ。開幕前に、田中監督にその決意を語ってもらった。

 


過去2シーズンとは明らかに違うチームづくり
 

 まず、春はいろいろな選手をAチームで起用することができました。春季大会は昨季の対抗戦の結果もあってBグループで戦いましたが、招待試合では帝京、東海、早稲田、慶應とも対戦し、経験を積めたのは良かったです。昨季日本一になったことで選手たちも自信を持ったようですし、全体的に安定した戦いができたと思います。
 Aチームは全勝で春シーズンを終えましたが、あくまでも「春の結果」です。チームとしては経験と自信を得たことで逆に「うまく」やれてしまっている面があることも否めません。
 夏以降はラグビーの本質的な部分やボールを持っていないときのハードワークといったところをもっと選手に求めていきます。各大学もここからチームとしての完成度を上げてくるはずですが、明治もここからもっと強くなる、もっと伸びると期待しています。
 チームとしてはここまで個人にフォーカスする部分が大きかったのですが、夏からはユニットを成長させたいですね。FWであればスクラムの強化、BKであればサインプレーや一人ひとりの走るコースやタイミングなど、精度にこだわっていきたいです。
 ただ、今季で指導を始めて3年目になりますが、過去2シーズンと比較すると明らかに違います。2年間である程度のベースを作ることができたからこそ、そこからさらに足りない部分、ひとつ上のレベルを目指した取り組みが行えています。ゲームを通して課題や問題点を出し、それをひとつずつフィックスさせていく。現時点でチームとしてこのレベルまで進められているのはとても大きいです。



厳しい対抗戦をしっかりと勝ち抜きたい
 

 一方でA、Bチーム主体のペガサスとCチーム主体のルビコンの差が目に見えてわかるようになってきました。決してルビコンの選手が悪いわけではなく、ペガサスのレベル、基準がより上がってきているからです。その意味では練習の組み立てが難しくなった面もありますが、チーム全体としては確実にレベルアップしている証だと前向きにとらえています。
 主将の武井は、以前は一人で背負い込み過ぎている部分がありましたが、他の4年生が上手くサポートしてくれるようになって、負担も分散できているように感じます。4年生を中心に学生だけのチームミーティングも何度か行って、スタッフから言われるだけでなく自分たちで考えて、課題や今後の取り組みを共有できるようにもなってきています。
 昨季は日本一になることができましたが、対抗戦では4位。決して満足できる結果ではありませんでした。今季も当然、厳しい戦いになると思います。初戦で戦う筑波は粘り強いチームですし、帝京は昨季途絶えたとはいえ、それまで9連覇してきた文化は根付いている。慶應は指導者も変わってチームが大きく変化してくるでしょう。今季の早稲田のBKは、日本の大学では間違いなくトップクラスだと思います。そういう相手に対してしっかりと戦って勝ち切る。
それが大学選手権にもつながるはずです。
 今年はワールドカップ開催により、約6週間の中断期間があるので、例年よりも難しいスケジュールになります。もちろんその期間も含めてチームの成長プランはできあがっています。今年の明治もぜひ楽しみにしていただきたいです。