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おたっきー調査隊 テーマ:スクラムの最前列に注目せよ!(VOL.23)

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今季も明治はスクラムなどセットプレーが大きな武器となる。中でも、武井主将とともに最前列で体を張る2名のプロップに注目してほしい。

 
 

安 昌豪(あん ちゃんほ)
PR/178cm・113kg


4年生。大阪朝鮮高校出身。誰よりも一番走るフロントローが目標。左プロップ(1番)として強固なスクラムを支える。
 



――昨季の明治のスクラムについて振り返っていただけますか?
 春の試合は調子が良くてどのチームも押し込むことができたと感じ、自信もついてきた反面、やっぱり相手も修正してくるので途中からうまくコントロールできなかったり、ペースがつかめない場面もありました。
自分たちのスクラムがどういうものか明確になったつもりでしたが、まだそこまで突き詰めて考えられていなかったんだなと思います。それが反省点ですね。

――その反省が今季のスクラムには生かされていますか?
 そうですね。思うに昨季はAチームとそれ以外のチームで差がありました。
意識の面ではなくて、やろうとしていることの理解度の差です。それを僕も含めて、スタートで出ている選手がもっと全体に伝えて浸透させていく必要があると感じました。今季はA以外のチームのスクラム練習も見て、僕らがやろうとしていることを話す時間も増えたので、縦のつながりも生まれて、そこは昨季とは違いますね。

――今季のスクラムは『密着度を高める』ことを目指していると聞きました。
 はい。それはセットアップの時点から意識してやっています。
相手によってスクラムの組み方を少しずつ変えていますが、より密着したスクラムには全員の意思の疎通と理解度が必要だと思っています。フロントローから後ろへ、後ろ5人からはフロントローへ、それぞれ互いの考えを発信できるよう、心掛けています。

――今季3番に起用された笹川選手についてはどんな印象を持っていますか?
 あのサイズですからスクラムに関しては申し分ないと思っています。
自分で1番にアタックすることができるし、僕が押す方向に臨機に合わせてくることもあるし、頼もしいですね。

――安選手のスクラムに懸ける思いを聞かせてください。
 明治のスクラムというのは〝重戦車〟と言われていたくらいで、伝統もありますし、誇りを持ってやっています。ラグビーを知らない人からしたら、ただ押し合っているだけみたいに見えるかもしれませんが、その中で相手の表情を読んで、今こんなことを考えているのかとか、いろんな駆け引きがあります。そこには僕らしか知らない世界があるんですね。試合中に良い状況判断ができたときはうれしいし、やりがいも感じます。もちろんうまくいかないことや劣勢になるときもありますが、どんな状況でも絶対1本は押し返してみせる、自分たちが満足できるスクラムを組んでみせるという気持ちを持って戦っています。

――今季の意気込みをお願いします。
 スクラムに関しては、春は結構良かったと思っていますが、まだ文化にはなっていないような気がします。大事なのは相手がどうこうというより、まず自分たちがどうやっていくかということ。どの相手からも「明治のスクラムは脅威だ」と言われるよう頑張っていきたいです。

 

笹川 大五(ささがわ だいご)
PR/186cm・118kg

4年生。明大中野高校出身。昨季からAチームでプレー。右プロップ(3番)として恵まれた体格を武器に、安定感のあるスクラムを組む。
 


――まずは昨季を振り返っての感想を聞かせてください。
 対抗戦は何試合か出させてもらいましたが、大学選手権では準決勝、決勝ともに出られなかったことが悔しいです。やっぱり自分がグラウンドに立って優勝したかったという気持ちはすごく大きかったですね。ただ、昨春の最初はCチームにいたので、そこから上がっていけたことには手応えを感じることができたシーズンでした。

――成長できたと思う点は?
 やはり1番変わったのはスクラムですね。スクラムでなかなか勝てなかったのですが、今では自分のアピールポイントになるくらい成長できたと思います。とは言え、課題はまだいろいろありますね。

――3番のポジションを任されたことにプレッシャーは感じますか?
 自分は元々下のチームにいた選手なので、Aチームに上がれたうれしさの方が大きくて、それほどプレッシャーは感じていません。もちろん昨季の3番だった祝原(涼介)さんから学んだことはたくさんありますし、さらに1学年上の吉岡(大貴)さんには本当に細かいことまでいっぱい教わりました。今の自分のスクラムは吉岡さんのお陰と言っていいくらいで、そういう先輩たちの教えがあったからこそ成長できています。

――同じフロントローでスクラムを組む武井選手と安選手は笹川選手にとってどんな存在ですか?
 ひとことで言えば、2人ともすごく信頼できる存在。日向はチームの要であり、能力も高く、安心して組める選手です。安は本当に安定感があって、スクラムは1番と3番どちらかが負けたらやられてしまいますが、安には左にも寄せられる力があるので、自分の仕事に集中することができます。あと、2人ともすごく走るのでフィールドプレーも素晴らしい。
そこは自分も見習っていきたいですね。

――連覇を目指す今季、笹川選手自身の目標はどんなことでしょう。
 スクラムを組むときは「絶対押されないようにする」「ターンオーバーされないようにする」といった、当たり前のことをしっかりやることが自分の中の目標であり課題です。いつも意識しているのはどんな相手に対しても「100%の力を出し切る」ということ。今季こそグラウンドに立って日本一を勝ち取りたいし、そのために、日本一のスクラムを組みたいと思っています。