明大ラグビーファンクラブ

最新ニュース

指揮官とキャプテンが描く 明早戦勝利の青写真(VOL.21)

このエントリーをはてなブックマークに追加

伝統の一戦を前に、主将と監督が語ったのは「4年生のリーダーシップ」。
チームはターニングポイントを迎えている。

福田健太主将


つまづいたからこそ問われるチームの真価

 慶應戦の敗戦は多くのことを考えさせられました。ただ、チームとしての方向性はずっと目指しているものがありますし、ひとつ負けたからといってブレていません。最終的に28点を取られましたが、タックル成功率は90%を超えていました。タックルは夏合宿から取り組んできた成果が出ているので、これからも継続していきたいですね。ただし、これだけタックルが決まりながら失点が増えてしまったのは、自分たちのミスを起点に一発で取られてしまったから。そこは修正していくべき課題です。
 キャプテンに就任したときから、ずっと右肩あがりで成長していくわけではないことはわかっていました。今回つまづいたからこそ、チームとしての真価が問われています。この敗戦に関しては4年生の責任でもありますし、リーダー陣で長い時間をかけて、何がいけなかったのかを話し合いました。そのあとは監督に、「僕たちはこう思っています」と伝えて、スタッフとのすり合わせもできました。その甲斐もあってか、慶應戦あけ最初の練習では緊張感を持った雰囲気のよい練習ができました。
 この負けで何も変わらなければ、そこまでだと思いますが、今年のチームは違います。もちろん勝って反省できるのが一番ですが、学生なのでいくらでも伸びしろはあると思いますし、この敗戦をバネにしていきたいですね。
 6歳からラグビーを始めたのですが、明早戦はその頃から父親と一緒に見に行っていました。いつか自分もその場に立ちたいと憧れていたので、それが現実になると、やはり思うところはあります。ただもう4年生ですし、明早戦は何度も経験しているので、対抗戦の1 試合に過ぎないと捉えて臨みたいです。
 今季の早稲田は監督が変わり、攻め方が昨季とは違います。BK の選手が元気ですが、それは明治も変わりません。ベストパフォーマンスを出せるように調整していきたいです。伝統の一戦に出場できることを誇りに思ってゲームに臨むので、ファンの皆さんと一緒に打倒早稲田を達成したいと思います。

田中澄憲監督


学生が主体的に考えチームを作っていくのが明治の伝統

 対抗戦のここまでの結果、内容は決して悲観していません。あとはここから4年生がさらなるリーダーシップを発揮できるか、その変化に期待しています。
 正直ここまでは、ゲーム後に下級生を集めて自主的に話し合う4年生が少なかった。明早戦が終われば、すぐ大学選手権です。負ければそこで今季のチームは終了ですから、時間は本当に限られています。うまくいっていないのであれば、特にゲームに出ているメンバーは、自分たちから動いて積極的に話し合うべきです。だからといって、我々スタッフが強制的に話し合いの場を設けるのは違うと思っています。学生スポーツですから、チームは学生のもの。学生が本気にならなければ意味がありません。スタッフやコーチはあくまでサポート役で、ヒントや理屈は与えられても、やるのは学生自身。本当に勝ちたいのであればやるはずですし、それができないのであれば、勝つ資格はないと僕は思います。僕が学生の頃もそうでしたが、自分たちで主体的に考えてチームを作っていくのが明治の伝統。キャプテンやリーダーを中心にそういう動きを見せてほしいと今季ずっと思っていました。
 そうした中で、慶應戦翌日の深夜、キャプテンの福田、井上と祝原が自主的に話し合い、練習再開日の朝に福田が僕のところに来ました。それが嬉しかった。「こういうところが不明確なので取り組みたい」という話があり、その日の練習に反映させました。選手とコーチが一緒にチームを作っていくことが大事で、受け身のままでは絶対に伸びません。昨季は古川(満)と梶村(祐介)がよく提案に来ていましたが、それをダメだと言ったことは一度もありません。
そういう意味では特に慶應戦以降はいい練習ができていますし、チームとして大きなターニングポイントを迎えています。
 今季の早稲田は選手たちが自分たちで考えて、楽しみながらラグビーをしている印象ですね。昨季から大学ナンバーワンのBKを揃えていますし、危険な相手。セットプレーでプレッシャーをかけて勝利をつかみたいです。