対抗戦開幕直前インタビュー
主将LO 古川満副将CTB 梶村祐介
準備はできた。新しい明治の形を見せる
――7月上旬にチーム練習に復帰しました。グラウンドの外で見ているときとは違った印象があったのでは?
自分が休んでいた間に、選手はとてもレベルアップしていました。プレーはもちろん、意識の部分でも学年関係なく、「自分が中心になる」という気持ちがとても強く、頼もしさを感じます。
いい方向に進んでいますね。
――今季は選手たちだけで積極的にミーティングを行うなど、チーム内に変化が生まれていますね。
カジ(梶村)や(前田)剛、鶴田(馨)ら4年生が僕を支えてくれていて、ゲームに復帰した以降も変わらずチームを引っ張ってくれています。8月からは僕たちリーダー陣と、スタッフから出てくるテーマにあまり違いがなかったので、選手ミーティングの方法を少し変えました。
毎週FWとBKの選手1人ずつをリーダー陣のミーティングに呼んで一緒に映像を見ます。
その後選手全体ミーティングでの発表も、その選手たちにしてもらっています。
それぞれに意見があるだろうし、選手一人ひとりのチームに対する意識も、さらに高まってきています。

――春シーズンを終えて、この夏は何をテーマに強化をはかってきたのでしょうか。
夏は、「アグレッシブディフェンス」「ターンオーバーボールの使い方」「ブレイクダウン」の3つを大きなテーマに取り組んできました。アグレッシブディフェンスは、ラインスピードを向上させた攻撃的なディフェンス。
全員でコミュ二ケーションを取って、ラインを上げられるところはしっかり上げていこうという形ですね。
――ターンオーバーボールの使い方は?
練習の中でターンオーバーの場面が出ても止めずに続けて行うことで、攻守の切り替えの意識をより強くすることが目的です。昨年までは攻撃側がボールを落としたら、一度止めて新たなボールを入れて再開していたんですけど、今はミスが起きたら、攻撃側と守備側がすぐに入れ替わって、ターンオーバーしたボールを生かす取り組みをしています。

チームのピークは大学選手権決勝!
――話を対抗戦に移します。ピークはやはり帝京戦(11月18日)でしょうか。
大学選手権決勝にピークを持っていくことが、今季のチーム方針です。昨年までは、大事なゲーム前はウエイトの負荷を落としていたのですが、今季は違います。
大学選手権決勝の段階で体が一番大きく、ウエイトの数値も最高になっていることが目標なので、ゲームごとのピーキングはあまりやらないと思いますね。
――そうやって大学王者を目指すと。
あとは夏から取り組んでいるモールですね。トライをとる形の一つになると思います。
もちろんモールディフェンスにも着手しています。
スクラムなどのセットプレー、ブレイクダウンなどFWで常に優位に立つ。
そのうえでFWとBKが連動した形でのトライを狙っていきます。
夏合宿を超えて成長した明治を見せられるように頑張りますので、応援よろしくお願いします。
――まず春シーズンを総括ください。
春は自分たちが成長できたと思えるゲームが多かったですね。ただその中でひとつ気になったのが慶應戦(5月28日)。
試合に向けての準備や試合中の修正などが足りず、自分たちでゲームを崩してしまいました。
これは近年の明治が抱える課題です。
ここを変えていかないと、大学選手権の準決勝や決勝では勝てません。
そういう意味ではいい勉強になりました。
――昨年は夏合宿の段階でFWでもBKでも何となくスコアできてしまった結果、逆にチームの方向性が定まらなかったと京産大戦後に話されていたのが印象に残っています。
今年の春は、スクラムが強化できたので、この夏に取り組んできたモールがうまくいけば、すごく戦いやすくなると思います。そこが明治が困ったときに立ち返れる原点ですね。
今のラグビーはスクラムで圧力をかけられないと勝てません。
去年は僕だけでなく困ったときに何をしていいか分からなくなったところがあったので、そういうことがないように、キャプテンの(古川)満と話しながら進めています。
――新任の田中ヘッドコーチとは出身高校が同じなど、縁が深いと思いますが、どういう方ですか。
すごくプロフェッショナルな方です。どの分野でも妥協しませんし、求められるレベルがすごく高い。
あとは、FWならスクラムなど明確な武器を作っていこうというテーマを出してくれたので、チームの方向性はハッキリしました。
BKは相手の陣形を見て攻める形に変えたので、より密にコミュ二ケーションを取れるようになったと思います。
誰か1人に頼らず、全員でやっていくのがキヨさんのラグビーです。
そうすることで防げるミス、取れるトライの数も増えていくはずです。

フィジカルを生かして前に出る!
――その田中コーチから個人的にアドバイスを受けることはありますか。
今まではパスを中心にうまくやろうとしすぎて、自分が消えているところがあって、キヨさんからも「自分の強みを取り戻しなさい」と言われました。自分ではパスが強みだと思っていたんですけど、よく考えればフィジカルの強さだったので、今季はそれを生かして前に出るプレーを増やしたいですね。
――そうすると、周りの選手もより生きてきますね。
そうですね。特に今年はCTBにいい選手がたくさんいますし、1年生の山沢(京平)は僕らが見えていないスペースを使えるので楽しみです。
――今季の帝京の印象は?
毎年そうですが、こちらの少しの緩みを見逃さない強さがあります。今年も昨年の主力選手が抜けたとはいえ、やはり一番力のあるチームです。
勝つためには明治のFWがいかに前に出られるかだと思います。
あとはチーム全体で最後まで足を動かして、自信を持ってゲームに臨みたいですね。
目標はあくまで大学日本一なので、満と僕が中心になってチームに緩みが出ないようにやってきたいです。
選手全員で取り組んで、最後に笑えたらいいなと思います。