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ALL FOR Meiji フィジカル強化の責任者をClose up!(VOL.29)

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Physical Performance Team
里大輔ハイパフォーマンスマネージャー


「見逃されがちな部分も詳細まで詰めていく」
今季から発足したフィジカルパフォーマンスチーム(PPT)のリーダーを務める、里大輔氏。 日本代表でも指導経験を持つ同コーチに、明治をさらなる高みへと導く取り組みの詳細を聞いた。

専門分野を掛け合わせ新たな取り組みを数多くスタート

 昨季から明治の指導に携わるようになり、スポットのスピードコーチを務めていました。その中で私が重視していたのは、単純な走るスピードではなく、動作のスピードです。ラグビーでいえば、セットやポジショニングのスピード、コンタクト のヒットスピード、さらにはフットワークやスワーブ、ボールキャリーでの脚のスピード。こうした一つひとつの動きを分解し、各動作の細部のスピードを上げることに主眼を置いて指導にあたっています。
 そして今季は田中前監督発案のもと、S&Cコーチやメディカル、管理栄養士の方々と連携してフィジカルやフィットネスを向上させる、フィジカルパフォーマンスチーム(PPT)のマネージャーを務めています。多少の無理があってもチャレン ジして突破を図るのが、このチームの大きなテーマ。明治は組織として大きいがゆえにマンパワーが足りず、これまで着手できなかった部分がかなりありました。それをカバーするために、各分野をクロスオーバーさせて、マンパワーを補っていく。それもあって、今季は新たに取り組み始めたことが数多くあります。
 たとえば、メディカルスタッフが練習前に行う障害予防のためのプログラムは倍以上に増え、練習の準備の質は格段に上がりました。またウエイトトレーニングのプランニングにも栄養士が入ることで、各選手の理想体重や筋肉量に合わせて食事の内容も変更するなど、より緻密なものになっています。

明確な言語化によって動作のクオリティを高める

 今季の明治はハイテンポな攻撃的ラグビーを志向していますが、そこに必要な要素を言語化するのが私の役割。たとえば、ラックから速くボールを出すにはクイックセットが必須条件ですが、ではそのクイックセットを実現するためには、どんな動作がどんな順番で必要なのか。これらを細分化して明確に言語化したものを、選手に説明書として渡す。そこに関してはうまくいっている手応えがありますね。
 PPTではシーズンをいくつかの期間に分け、その時期に見合った部品を磨き、最後に組み上げるという設計図を描いています。春は体力強化に注力し、後半の後半の時間帯にどこよりも高い強度で動けるようになりました。その後、夏に取り組んだのがワン・ブイ・ワンの強化と身体作り。これも非常に成果が出て、先日の天理戦(※28○10/8月22日)でも当たり負けする場面はありませんでした。
 車にたとえると、春はエンジンを大きくし、夏は、FWはオフロードタイヤとバンパーに強力なガードをつけ、BKにはF1の高速タイヤを履かせた。そして秋からは、そこに乗るドライバーの運転技術をより研ぎ澄ませる計画です。見逃されがちな部分も詳細まで詰めて、それが最高精度のものなのか、と常に自分に問いかけながら強化に努めていきたいと思います。