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神鳥裕之監督が語る対抗戦展望 「100%の準備をして勝利に執着するゲームを見せたい」(VOL.29)

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3連覇がかかる今季の対抗戦。例年以上の混戦、熾烈な優勝争いが予想される中で、新指揮官はどのようなビジョンを持って、ライバル校へ挑むのか。(※取材日:8月26日)

春から大切にしてきた基礎の精度をより高いものに

 この夏の強化プランでいえば、まず8月初旬にJヴィレッジで合宿を行いました。目的は、春シーズンの試合で見つかった課題の改善や、戦術面の落とし込み。同時に対抗戦の開幕まで1カ月強あるタイミングだったので、春先から徹底してきたフィットネスの向上や走り込みも継続しました。強化キャンプという意味では非常にハードで、週間の走行距離は八幡山での3倍にあたる量をこなしたほどです。
 8月下旬からは実戦目的の合宿を菅平で行いました。その初戦となった8月22日の天理戦(28○10)ですが、点差以上の内容を見せられたと思います。春先から取り組んできた基礎、Jヴィレッジでの合宿以降に行ってきた戦術的な落とし込みといったものが、ゲームの中でどの程度実践できるのか。それらを具体的にチェックする目的がありましたが、その初戦という意味ではまずまずよかった。ただし、トライを取り切れない場面や小さな判断ミス、プレーの継続性という部分ではまだまだ課題があると感じました。
 特に後半20分以降に相手を突き放すことを春から大切にしていたのでチーム全体で求めているものの精度をもっと高める必要があります。もちろんスコアとしては勝利を手中に収める展開でしたが、トライを取り切れないシーンが多く目についたので、そこは改善していかなければいけません。

再びのコロナ禍のシーズン選手を信じて当たり前の対策を継続

 今季もコロナ禍の中でシーズンを迎えますが、特に難しさを感じるのは、選手を常に管理できない点ですね。選手は学生でもあるので、当然授業を受けに大学にも通います。ウイルスは目に見えないものなので、当然ながらその感染経路やリスクを把握できません。
 ですから、これまで同様に基本的な感染対策を徹底して続ける以外に方法はありません。相手は目視不能なウイルス。選手に何らかの落ち度があって感染するということは、私はないと強く信じています。またチームには、専門のメディカルスタッフや高い知識を持ったドクターがたくさんいますので、継続して注意喚起を行うつもりです。

ライバル校を撃破して対抗戦3連覇なるか

 今季の対抗戦は実力の拮抗した混戦になると予想しています。
 まず早稲田ですが、新監督の大田尾(竜彦)さんはヤマハで長く司令塔を務め、トップリーグでもコーチ経験があり、とてもクレバーな人というイメージを持っています。監督就任前の5月に行われた練習試合をチェックした際は、ヤマハと似たラグビーをするという印 象を受けました。そもそも能力の高い選手が揃っているので、チームとして機能すれば、非常に怖い存在になるでしょうね。
 帝京とは6月に招待試合で対戦しましたが、その際に感じたのは、とにかくFWが大きいということ。迫力とフィジカリティのあるチームなので、そこで負けないことが重要になってきますね。
 慶應は春からしっかりチームを作って、明慶戦ではいつも明治が苦戦するというイメージです。それは今季も変わらないでしょうから、慶應と戦うまでにチームに勢いをつけて、自信を持って試合に臨めるようにしたいですね。
 何より明治は、勝利と優勝を多くのファンから期待されているチーム。100%の準備をして、勝利に執着するゲームを見せたいと思います。