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おったきー調査隊 テーマ:LOのレギュラー争いを調査せよ!(VOL.29)

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今季、激しい争いが繰り広げられているLOのレギュラーポジション。
その中心となっている3選手に話を聞きました。

 

武内慎(3年)


昨季の苦しみを乗り越え今季の開花を誓う

 昨季は対抗戦の途中までゲームに使ってもらえて、自分の中で少しずつつかめていたものがありました。しかし好不調の波が激しく、メンバー入りできなくなると気持ちが切れてしまって……。FWコーチの滝澤さんに「メンバー入りをあきらめるのか?」と聞かれたときも、「あきらめている部分もあります」と答えてしまったほどでした。
 転機になったのは田中前監督の言葉です。「メンバーに入ったときだけ頑張る選手は、この先どこ へ行っても苦労する。そもそも明治のラグビー部員としてどうあるべきなのかを考えろ」と。そこから本当に正しい姿とは何かを模索しました。自分が試合に出る出ないにかかわらず、一生懸命に取り組むことが何よりも大事。そのように考え方を変えたことで少しずつよくなり、今季はまた先発の機会が増えました。悔しさは当然ありますが、いま振り返れば貴重な時間だったのかなと思います。
 

「いちばんタフな選手になれ」

 僕の考えるLOはいちばんタフでなければいけないポジション。身体に痛みがあっても“痛いプレー”を続けないといけませんし、コンタクトプレーでは絶対に引いてはいけない。明治の選手としても当然ですが、痛いプレーにどれだけ取り組み、向き合えるかが大事だと思っています。
 神鳥監督から言われているのは、「コンタクトプレーの基準、スタンダードを作れ」ということ。ボールキャリーでは可能な限り倒れずに前へ出続け、ディフェンスではタックルの際に自分からしっかりと肩を当てにいく。滝澤さんからも「いちばんタフな選手になれ」と言われているので、そこは常に意識しながらプレーしています。
 山本と亀井のふたりはライバルではありますが、同じジャージーを着て試合に臨むときには頼りになる仲間です。山本は本当にラインアウトにこだわっていて、僕もときどき指摘を受けるほどですし、亀井はすごくエナジーのある選手。試合中もよく声が出るタイプで、最近は滝澤さんの指導のもとボールキャリーの力もつけてきています。そこは自分の強みでもあるので負けられませんし、何より今季は先発の機会も増えて、追われる立場になりました。上級生の自覚を持ってチームを盛り上げていきたいですね。

 

亀井茜風(2年)


高め合える仲間とともに成長を目指す

 小学校でラグビーを始めてからポジションはずっとBKでしたが、中学3年が終わる頃に自分の身体能力ではBKは厳しいと感じるようになっていました。ちょうどその頃、2015年のワールドカップで大野均選手やトンプソン ルーク選手の姿を見て、「LOってカッコいいな」と。そのあと、長崎県の中学選抜に呼ばれたときに初めてLOをやらせてもらいました。縁の下の力持ちのような仕事が自分に合っていると感じて、そこからはLOひと筋です。
 自分を成長させてくれるうえで特に大きかったのは、高校(長崎北陽台)のFWコーチだった浦敏明先生との出会いですね。入学当時は189cm、65kgという体格でいいプレーがまったくできませんでした。それもあって高校1年の冬から浦先生と1対1の個人練習を重ねるようになりました。下半身が強くなりましたし、FWのプレーの本当に細かい部分まで教えていただいて、FWとしての基礎をすべて作ってもらったと思います。浦先生に出会えていなかったら、いまの僕はないですね。
 

ディフェンスとガッツでアピール

 僕はどちらかといえばディフェンスが好きなので、レギュラー獲得のためにアピールしていきたいのはタックルなどのコリジョンの部分ですね。あとは、新チームになって自分に何ができるのかを考えたときに、声でチームを鼓舞しようと。(山本)嶺二郎のような冷静さがあるわけではないので、熱量を出してガツガツやるという姿勢もアピールしていきたいです。
(武内)慎さんと(山本)嶺二郎はライバルではありますが、吸収できるところも多く、高め合える仲間という意識が強いですね。慎さんには僕にないボールキャリーの力があって、運動量も豊富で尊敬していますし、嶺二郎は先ほども言ったように、僕とはまったく異なるタイプでいつも冷静。僕よりもすごく多くのことが見えているので、尊敬しています。
 今季の対抗戦は3連覇がかかっていますが、そこがゴールではありません。大学日本一を目指して僕らは毎日練習を重ねているので、チーム全員で対抗戦、大学選手権の優勝を勝ち取りたいと思います。応援よろしくお願いいたします。

 

山本嶺二郎(2年)


ラインアウトに懸けるプライド

 5歳からラグビーを始めて、中学で12人制ラグビーになってから、ポジションはずっとLOです。もう8年になるのでLO以外のポジションは嫌という気持ちがありますね(笑)。最初は背が高いというだけで任された感じだったのですが、少しずつ仕事や役割がわかってきて、同時に楽しさも覚えていきました。
 LOの仕事でまず重要なのはセットプレー。ラインアウトやスクラムを安定させる役割が大きいですが、地味なプレーも大事です。ブレイクダウン周りの泥臭いプレーを進んでやるのがLOに与えられた仕事だと思います。見ている人にとってはわかりにくい部分かもしれませんが、縁の下の力持ちというか、チームを支えているところがこのポジションの魅力です。
 

偉大な先輩と過ごした貴重な1年

 自分の武器はラインアウトなのですが、昨季はそのセットプレーで大学一といえる片倉(康瑛)さんの姿を間近で見られて、貴重な経験になりました。片倉さんのすごいところは、分析の方法が多彩で深いところ。僕はそれまで、相手がどのようなサインやムーブを仕掛けてくるかという視点しか持っていなかったのですが、片倉さんは相手BKの立ち位置を含めて構造からラインアウトを解剖しようとしていて、本当に驚かされました。
 今季は相手の分析や、試合ごとのラインアウトの構成を任せてもらっているので、昨季の貴重な経験を生かしたいです。もちろんまだまだ完璧とはいえないので、HOの田森(海音)さんたちの力を借りながら、ファンダメンタルの精度や一つひとつのサインの質を向上させていきたいですね。
 武内慎さんはパワーやダイナミックなプレー、亀井茜風はチームを鼓舞する力やプレーの激しさなど、それぞれ個性的な能力を持っています。僕とはキャラクターがまったく異なるので、レギュラーをつかむためには、自分の武器をどれだけアピールできるかが大事です。僕は、ラインアウトに関しては誰にも負けないという自信があるので、それをいちばんの武器に、ブレイクダウン周りの泥臭い仕事などLOとしての役割を徹底していきたいですね。対抗戦優勝、そして大学日本一を目標に頑張りますので、応援よろしくお願いいたします。