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対抗戦3連覇へ 「今季の根幹となる部分は絶対に忘れてはいけません」(VOL.29)

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飯沼蓮主将


春からの基礎の積み重ね、そして夏のブラッシュアップ。
例年以上に丁寧にビルドアップされていくチームに、飯沼主将は強い自信を示す。(取材日:8月26日)

絶対に忘れてはいけない 春から積み重ねた〝明治の根幹〟

――8月は2回の合宿を組み、対抗戦に向けて強化を図ってきました。まずは8月初旬に行われた、Jヴィレッジでの合宿について聞かせてください。
 テーマは「Build-Up」で、春から積み重ねてきたファンダメンタルやフィットネスなど、今季の明治の根幹となる部分に細かいスキルや戦術を加えていきました。

――戦術的な上積みとは?
 アタックでいえばキックオフやセットプレーからのストラクチャー、ディフェンスならキックチェイスやキックカウンター、あとはいちばん難しい敵陣ゴール前での崩し方などに取り組みました。毎年同じように積み上げていくのですが、新しいことに触れると、それまで大事にしていた根本的な部分を忘れてしまうのが昨季までだったと思います。
 しかし今季は、春に基礎を徹底的に固めて、コーチ陣も「それを忘れるな」と常に言ってくれますし、リーダー陣も口に出すように心がけています。戦術はいろいろあったとしても、根本的には素早くセットして、いいボールキャリーやブレイクダウンをすることで、得点につながるアタックが始まります。ディフェンスも同じですね。その根っこの部分をチーム全員が理解できているのが、今季の強みです。

――8月下旬には、菅平で練習試合を中心とした合宿が行われました。戦術的な部分をよりブラッシュアップさせていったのでしょうか。
 そうですね。テーマもJヴィレッジでの合宿と同じ「Build-Up」。戦術的な部分はアタック、ディフェンスともに増えました。その中で行われた天理戦(28〇10/8月22日)は課題もたくさん見えましたが、しっかりと勝ち切れたのは大きかったです。
 ただ正直にいうと、合宿期間に入って戦術が増えて、春から積み重ねてきた根本を少し見失っているところがありました。明治は春から〝きつい時間帯に当たり前のプレーを当たり前にする〟ということにこだわってきたので、そこをもう一度意識しなければいけないと再確認させられましたね。

――とはいえ、ディフェンスとセットプレーの安定感は目を見張るものがありました。
 それはそうなのですが、もっとスコアを離せるゲームだったと思います。それができなかったのは、先ほども言った細かい部分の精度。ブレイクダウンが象徴的ですが、当たり前のプレーをどれだけひた向きにできるかが重要です。その意味で、ノット・リリース・ザ・ボールを中心にペナルティを7回も取られたのは反省しなければいけません。

――飯沼選手個人としては、相手の隙を突いて何度も仕掛けていましたね。
 春シーズンは試合中に考えすぎていましたが、この天理戦は気づいたら仕掛けていたという感じで(笑)。でもそうやって、嗅覚でプレーできているときには自分の中にいい感覚があります。もちろんゲームコントロールが必要な場面ではしっかり考えて、バランスを取りながらやっていきたいと思います。いまはすごくいい状態ですね。
 

よいプロセスを踏んだ今季対抗戦3連覇へ絶対の自信

――いま、この時期だからこそ主将として大事にしていることはありますか。
 まずは、いつもと変わらない姿勢でいること。それに加えて、自分はSHであり、キャプテンなので、試合の流れや両チームの状況を的確に把握することも大事です。適切な状況判断をして、いま何が必要なのかを簡潔にチームに伝えることが自分の役割だと思っています。そこは特に意識していますね。

――学生生活最後となる対抗戦がいいよ迫ってきました。心境に変化はありますか。
 これまでは明治のことだけを考えていたのですが、相手チーム、ライバルのことも少しずつ気になるようになってきましたね。

――そのライバル校について今季の印象を聞かせてください。まずは早稲田からお願いします。
 これまで同様にBKにいい選手が揃っていて、首脳陣も変わったことで新しい戦術が増えたという印象です。しかし明治もBKには自信を持っていますし、FWで勝つことは大前提として、BKでもしっかり対抗できるだけの力を12月までにつけていきたいと思います。

――続いては、帝京について聞かせてください。
 FWでどんどん前に来る、勢いのあるチームです。大事なのはセットプレーで流れをつかませないこと。相手の勢いに飲まれず、明治から仕掛けていけば勝利をつかめるはずです。

――慶應はいかがでしょうか。
 ディフェンス主体で、キックをたくさん蹴ってきます。毎年のように、前に出てくるディフェンスに苦しめられているので、まずはFWがワン・ブイ・ワンに勝って、クイックテンポなアタックにつなげたいですね。BKはディパーチャータイムといって、自分たちから間合いを作り出すアタックを仕掛けられれば、明治のペースにもっていけると思っています。パニックにならないように落ち着いてゲームを進めたいですね。

――対抗戦までに積み上げたいことを教えてください。
 今季の根幹、自分たちの根っこになる部分は絶対に忘れてはいけません。どんな状況になっても全員が自分たちの強みを理解し、修正が必要な部分に共通認識を持ってゲームを進められれば、今季の明治は絶対に大丈夫だと信じています。そう言えるほど、今季はよいプロセスを踏めています。

――3連覇を期待していいですか。
 はい。期待してください。