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武井日向主将『早稲田に対しては意地がある。明治を背負って戦う』(VOL.24)

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今季の明早戦は、実力伯仲の戦いが予想される。“伝統の一戦”に、キャプテンはどんな思いで臨むのだろうか。

 
 

「ユニティ」と「コリジョン」に焦点をあてた中断期間


――今季の対抗戦は、W杯による中断期間が6週間ありましたね。
 その6週間は、ジュニア(関東大学ジュニア選手権)のゲームが多くなる期間だったのですが、初戦の帝京戦に大敗しました(0●61/9月22日)。正直、ショックでしたね。僕自身はゲームに出ていませんでしたが、もしかしたらチーム全体に「いけるんじゃないの?」という油断があったのかもしれません。しかし、こういった負けを経験することで、ジュニアの選手たちが主体的に動くようになるなど、チームとしての成長を感じています。最終戦の早稲田とのゲームでは、最後に意地のトライを取って勝ってくれて、ジュニアの選手にも明治のプライドが生まれてきているんじゃないかなと思いますね。(29〇21/10月6日)、同志社(57〇21/10月20日)と2試合を戦いました。
 どちらも勝ち切れたことはすごく良かったです。どんなゲームでも油断してはいけないし、隙を見せてもいけないということをジュニアの試合から学んでいたので。チームは良い方向に進んでいますね。

――この6週間の中断期間のテーマは、『ユニティ(まとまり)』と『コリジョン(衝突)』に定められました。
 ラグビーをやっている以上、身体をぶつけ合うことからは逃げられません。そこは成長しなければならないと感じていましたし、『ユニティ』に関しては、もう一度チームでまとまろうという意識を持ちました。学年、A・Bチームの関係、FWとBK、FW同士、BK同士の関係、そういう一つひとつの結束が対抗戦や大学選手権で結果を出すために大事になってくるので、新たに取り組んでいった部分です。



チームファーストを貫くルビコンの最上級生たち


――この中断期間に4年生で一度、深い話し合いをされたそうですね。
 そうですね。しかもスタッフ主導ではなく、選手たちから提案があがってのものでした。そういう話し合いを行えたのは、「自分たちで何とかしよう」という意識が芽生えてきた証拠ですし、僕としても「チームのことをすごく考えてくれているな」と感じましたね。

――いい話し合いができましたか。
 実際に話をしてみると、下のチームのルビコンも4年生が引っ張ってくれているのを実感できました。「何がチームのためになるのか」。特にルビコンの4年生たちはチームファーストで物事を考えていて、自分たちがAのゲームに出られない中でも、下のチームのモチベーションを高めるためにすごく工夫してくれていることもわかりました。そういう選手のためにも、もっと頑張らないといけないと。
 普段はそれほど深く話さないんですけど、こういう場ではどんどん意見が飛びかいますし、真剣な話し合いができて、そこはいまの4年生の良いところだなと改めて思っています。

――武井主将のポジションはフッカーです。多くのファンが気になっているスクラムの完成度は?
 良くなっていますが、まだまだですね。どのチームに対しても押せるという自信と体力はまだないので、対抗戦の中で成長していかないといけません。スクラムには一人ひとり役割があるので、その中でまとまることがすごく大事です。



1回のチャンスをどれだけものにできるか


――今季の早稲田の印象は?
 非常に強いチームで今季、一番警戒しなければいけない相手です。もともとBKに良い選手が揃い、ボールを継完成度も上がっていますし、モールも少しずつ武器にしてきていて、そういう意味ではFWも含めて非常に完成度の高いチームだという印象です。
 早稲田に対しては意地というか、明治を背負って戦うというか、他のチームとの試合とは違う雰囲気も出てくるので、気負いすぎないように注意しないといけないですね。

――今季の早稲田は前評判の高いチームです。そういう触れ込みを耳にすると、プレッシャーになりますか。
 意識はしますけど、恐れることなく、だからと言って過信することもありません。今季ここまで明治が取り組んできたラグビーは間違いないと思いますが、今季のチームはまだチャンピオンではないので、ハングリー精神を持ってしっかり戦います。

――早稲田のスクラムに関して、もう少し詳しく聞かせてください。
 まとまりがすごくあって、それまでの早稲田にはなかったプレッシャーをかけてきます。自信を持っているんだと思いますね。明治としてはスクラムで負けるわけにはいかないので、しっかりと対策していきたいです。
 試合の主導権を握る上でも、セットプレーはすごく重要。スクラムを今後も武器にしていくためにも、現状に満足せず、最後の最後まで成長していきます。

――どういうゲーム展開を予想されていますか。
 ロースコアの接戦ですね。どちらもそう簡単にトライを取れないでしょう。1回のチャンスをどれだけものにできるかが、試合の展開を左右すると思います。

――最後の明早戦、懸ける思いは例年よりも強く、熱いものがありますか。
 そうですね。特に、今季の早稲田は強いと言われていますし、僕自身も入学してから一度も対抗戦での優勝を経験していないので、過去3年間と比べても、そういうところは本当に感じていますね。しっかりと勝ち切って、いい形で対抗戦を終えたいです。