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ALL FOR Meiji チームの頭脳にClose up! 第5回(VOL.5)

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チームの頭脳にClose up! 第5回
アナリスト・テクニカルコーチ 高濱丈輔さん


映像と数字で、根拠を導く
今年7月からコーチングスタッフに新たに加わった高濱丈輔さん。明治での肩書きは、アナリスト・テクニカルコーチ。具体的にチーム内で、どのような役割を担っているのでしょうか。

――就任の経緯から教えてください。
これまで日本ラグビー協会でユース世代のコーチを務めたり、昨年はアジアのラグビー普及強化を目的としてラオス代表の15人制の監督などもさせていただきました。その任期が6月で終わり今年7月から、アナリスト・テクニカルコーチとして、明治のスタッフとして加わりました。私のメインはコーチとしての仕事ですが、データを収集して分析するというアナリストとしての実績もあります。今回はアナリストの仕事をお願いできないかとお声掛けをいただきました。

――実際にはどういった仕事なのでしょうか。
まず試合の映像からデータ収集を行い、映像解析専用のソフトを活用しながら、統計学的な解析をするという仕事です。映像や数字は嘘をつきませんから、根拠を導きだすことができます。あら探しをするのではなく、チームのポジティブな点、ネガティブな点を可視化することで、明治が勝利することを最大のターゲットとしています。
試合中はビデオを録ることはもちろん、スタンド、グラウンドのどちらかでオリジナルのシートを用いて選手やチームの動きをチェックします。当然ながら試合中にその場で撮影している映像をベースに分析も行います。

――チームにはどのように還元していくのですか?
コーチングスタッフと情報を共有して、次のプランニングに役立てます。毎試合、必ずコーチングスタッフ陣が設定しているチームでのターゲット、個人でのターゲットがあります。そこをアナリストの立場として、クリアできているかどうかについて毎週レビューを行っています。数値化して、チーム・個人両面から良いところは伸ばし、良くなかったところは改善していくために参考にしてもらいます。
試合中もコーチから何かオーダーがあればすぐに数字を出せるように準備しています。

――具体的には、どのようなデータを扱うのでしょうか?
例えばチーム全体としては、スクラムやキックオフ、ラインアウトのクオリティ、個人としては、タックリング、ボールを何回触ったか、サポートに何回入ったか、などですね。
分析の対象は、基本的にAチームとBチームの公式戦です。今年は7月から加入したため、夏合宿での試合も行いました。他校の試合分析も行っています。

――就任当初、自チームを分析したと思います。どのような印象を受けましたか?
正直、選手一人ひとりのポテンシャルは非常に高いです。加えて、やや抽象的かもしれませんが、特にフォワードプレーのところでは、正直数字を超えているといいますか、数字には見えないものがあります。明治の目に見えない伝統という部分をすごく感じます。

――分析で数値化してから、選手たちの反応はどうですか?
最初は、映像を見ることであったり、数値の見方に関して慣れていないという印象を持ちました。個人的な実感としては非常に効果があると思っています。何より選手たち自身が自主的に映像を見るようになってきたことが大きいです。

――最後に改めて、意気込みを。
私の立場としてお伝えできることは、明治の選手のワークレート(ラグビーでの仕事量)の数値は上がってきていると思います。今後は上位陣との対戦、その先は大学選手権があります。チームとして一つひとつ課題をつぶしていき、そのためのサポートを行いたいと思います。


選手も、数字で自己評価
高濱コーチの加入により、今年は選手自身、自分の数値がどれくらい向上しているかを確認できるようになり、モチベーショアップにつながっている。
「試合中のプレー状況が数値に表れるし、試合後には試合中の自分だけの動きなども映像で確認できる。とてもありがたい」(寺田選手)と選手たちも高濱コーチの加入を喜んでいる。