SH はすべての面でもっとも長けた選手でなければいけない
リコー時代、山品博嗣テクニカルアドバイザーと監督、選手という間柄だったこともあって、今回のBKコーチ就任の機会に恵まれました。
明治はFWのチームというイメージがやはり強かったのですが、指導するようになって、その印象が少し変わりました。BKにも各世代の代表を経験した選手が多く、ハンドリングをはじめスキルの高い選手が揃っている。ただし、まだ十分に伸びしろがあるとも感じています。スキルはもちろんですが、特に人間性の部分ですね。
あるひとつのことを教えて、次のことを教えると、最初に教えたことを忘れてしまうケースが見受けられます。問題は忘れる選手がいることではなく、忘れたことをいかにチーム全体で共有し、再認識して伝達させられるか。トップリーガーでもなかなかうまくできないような、すごく大変な作業ではあるのですが、選手を〝大人〟にしていくためにも、しつこく言っていきたいと思っています。
SHに求める多くの〝役割と仕事〟
僕の現役時代のポジションはSHでしたが、現在の明治のSHの選手を指導していると、まだまだ身につけなければいけないことがたくさんあると感じています。ハーフというポジションは、すべての面でもっとも長けた選手でなければいけないというのが、僕の考えです。頭脳はもちろん、ウエイトトレーニングにしても、100キロのFWと比較したとき、体重比率という意味で、より重い重量をあげられないといけない。走ればWTBよりも速く、アジリティにも優れている。こうした高い身体能力と、スマートさやクレバーさが必要なポジションです。そういう意味では教えがいのある選手が多いなという印象ですね(笑)。
そして、ゲーム中に求めるのはチームのオーガナイズ。チーム全体の舵取りや組織化の部分ですね。FWのシェイプ、BKのラインメイク、時間やテンポなどゲーム全体のマネジメント。求められることはたくさんあります。しかし、現状は自分のことで精一杯で他の選手のことを考えきれていないので、何度も同じことを言いながら段階を踏んでいるところです。
あとは、ハーフの選手がリーダーシップを取ってほしいという思いもあります。例えば、オフの日に飲みに行くにしても、ハーフが率先してやれるようになるとまた違ってくるのではないかと。ハーフを中心にして、密なコミュニケーションが取れるようになれば、チームも大きく伸びると思っています。
元同僚・世界的名選手からのアドバイスをチームに還元
BK全体としても課題はたくさんあります。SOやCTBには成長しなければいけない選手が多いですし、WTBの選手はもっと声を出して、中のポジションの選手を動きやすくさせてほしい。FBの成田(秀平)にしても、自分がボールを持っていないときのプレー、人を動かす能力を伸ばしてほしいと思っています。現在は、リコー時代に同僚だったスティーブン・ラーカム(現・SRブランビーズヘッドコーチ)と連絡を密に取って専門的なアドバイスをもらっているので、そういったところでも、チームにたくさんのことを還元させていきたいですね。
Interview 「2016年に懸ける想い」 池田渉BK コーチ(VOL.13)
会報誌記事
2016/04/21
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