明大ラグビーファンクラブ

最新ニュース

Interview丹羽政彦監督2016年対抗戦開幕「MUST WIN」を実現する!(VOL.14)

このエントリーをはてなブックマークに追加

見えてきたアタックの形



――まずは、夏合宿で課題として取り組んだことから教えてください。

春シーズンは、先制されて追いかけるというゲーム展開が続きました。アタックと、ディフェンスともにチームでやるべきことが明確にされていなかった点が原因です。そこで7月くらいから、昨年まで積み上げてきた部分を学生とディスカッションして、改めてチームとしての方向性を整理し直しました。

その後、8月の夏合宿では、外国人選手が在籍する3チーム(大東文化・天理・東海)と練習試合を組みました。そこでは相手のアタックの優位性が出ないようにディフェンスのレベルを上げることを目標に挑みました。また、ディフェンスだけでなく、BK全体の向上を目的に、ピタ・アラティニ氏を特別コーチとして招きました。その成果が大東戦の前半にスコア(‐7)に表れたんじゃないかと思いますね。

――ピタコーチの指導は監督から見ていかがですか。
今はニュージーランドのオークランドのU代表のBKコーチもしており、指導する世代も近く、適任だと感じました。サントリーや釜石でプレーした経験もあるので、日本人的なコミュニケーションも取りやすく、一定の成果は出ています。

――チーム内のディフェンスの意識が高まってきたと。
意識だけでなく、ポジショニングなども改善されてきました。ただ、いくらシステムを構築したとしても1対1のタックルができなければ話にならない。しつこく、時間をかけてやっていくしかありません。
スコアメイクに関しても昨年まで取り組んできたベースの部分を、選手たちが理解し始めてきました。アタックとディフェンスがうまくリンクするようになれば、明治らしいラグビーを披露できるかなと思います。

モールディフェンスは「とことんやる」

――5月にお話をうかがった際、夏までには「個人能力の高い外国人選手を擁する強豪校」と互角以上に戦えるようになりたいとおっしゃっていました。その意味では合格点では?

夏合宿に入ってからは選手も「ここでやらなきゃ」という気持ちが強く、頭の中を整理できたことが大きかったですね。たとえば、スクラムにおいても春から主力が揃わない状況だったにせよ、チームに残ってくれた塚原(巧巳)の存在もあって、非常に調子がよかった。そこに祝原(涼介)、齊藤(剣)が戻って、1年生の新妻(汰一)、武井(日向)、安(昌豪)らが成長してくれれば、FW第1列は十分に戦えると思います。
ただ、LOは昨年の4年生が抜けた穴を埋められていないのが実情です。東和樹FWリーダーの常に密集戦での仕事とサポート力のある選手・小林航(サントリー)のような長身の選手がいないだけに、個々の選手がどれだけハードワークできるかがカギになってくるでしょうね。
2年生以下がこのポジションに絡んでくることになりますが、セカンドローの役割は極めて重要です。リーグ戦のチームは外国人選手が多いですから、彼らにも負けない、強い気持ちとタフさが求められると思います。


――LOはスクラムはもちろんのこと、モール、ラインアウトでもポイントになるポジションです。ラインアウトは、そもそもスローインがよくありません。そこをしっかり修正していく必要があります。当然、リフトを含めて時間が必要ですね。モールに関しては、アタックもディフェンスもよくなかったので、7月に阮コーチを中心にした2部、3部練習で組み立て直しました。それを夏合宿でも継続して、徐々に整理されてきています。
モールディフェンスは極論を言えばもっと体を張ってくれれば、大分変わります。あと3メートルくらい押せばピンチを切り抜けられる場面でも、「こんなもんでいいかな」と力を抜いてしまって、トライを奪われるシーンが目立ちます。だから、まずは〝とことんやる〟。シーズンに入ってからの9月、10月でもっと積み上げられると思うので、とにかくやるしかないですね。



BKリーダー梶村の存在感

――副将の成田(秀平)選手の負傷離脱。
これは聞いておかなければいけません。大きなケガをする選手ではなかったので、こういう事態をあまり考えていなかったというのが正直なところです。特に4年生になってからはリーダーシップをすごく取って、チームワークを高めてくれていたので、離脱は確かに痛い。しかし、起きてしまった以上考えても仕方のないことなので、成田はとにかくケガを治すことを優先させています。

――BKのリーダーとしても大きな存在でした。
その代わりは3年生ではありますけど、BKリーダーの梶村(祐介)が中心になって4年生をサポートしながら、まとめていく形になりますね。存在感としては昨年の田村熙(東芝)のような立場になって、いるだけでみんなが安心する選手になってきています。もちろん、最終的には4年生が中心になって、チームとしてどれだけまとまっていけるかにかかっていると思います。

――大学スポーツでは、やはり4年生全体の力が大きいということですね。今の4年生は基本的に仲間意識がありますし、違う方向を見ている選手もいない。シーズンが深まった頃に、どこかでグッと結束が固まる時期が来るはずですから、そこで自分たちの力をどれだけ出すことができるか。夏合宿も順調に過ごすことができましたし、それ以降も目一杯の準備をしていくだけですね。チームスローガンである「MUSTWIN」を実現したい。対抗戦に入って、選手たちがそういう気持ちをもってくれるようになれば、いい結果を残せると信じています。