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田中澄憲監督 2年目の真価『チームに定着しつつある“勝つ文化”』(VOL.22)

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2年連続での大学日本一を目指す明治。昨季、チームを大学選手権優勝へと導いた田中澄憲監督が目指す道とは? 就任2年目となる指揮官に、その胸の内を聞いた。



 

明大ラグビーの普遍を目指して


 昨季、大学日本一になれたのは、学生が本気で目指し、ラグビーに取り組めたことが大きかったと思います。対抗戦では慶應と早稲田に敗れましたが、その敗戦を糧にしたことで大学選手権での成長につながりました。
 今季はまず東日本セブンズで3連覇を達成しました。チームに勝つ文化、勝利へのこだわりが徐々に定着しつつあります。特に準決勝の帝京戦が顕著でしたが、最後まで諦めない姿勢で戦ったことが、結果に表れました。
僕自身はたとえ負けても、違った意味で勉強ができるという思いで見ていましたが、チームとしての成長を感じさせてくれました。
 この大会では、BKコーチの伊藤(宏明)に指揮を任せました。大学ラグビー部の監督の仕事はチームの方針を示すことはもちろん、リクルートなどチームを運営するうえで大事な仕事も増えてくるので、すべてを自分でやろうとすると、いずれも中途半端になってしまいます。そうであるならば、スタッフの成長を考えても任せられるところは任せるべきという判断です。それができるようになれば、いつか自分が監督という立場から離れても、チームによい文化が残り、スタイルや理念を含め、明治のラグビーが普遍的なものになっていくでしょう。それが一番大事だと考えています。
 

〝意識〟が質を高める


今季のラグビーのスタイルは、若干のマイナーチェンジはあっても、これまでと大きく変わりません。ベースは昨季までの積み上げがあるので、チームスローガンにもなっているディテール、細かいところにこだわっていきます。そのために必要なものは、選手同士がお互いに評価・指摘し合って、〝意識〟を高めていくこと。タックルバックの位置が高ければ「もっと低く」と指摘して、その選手自身もより低く構える。こうしたディテールがラグビーの質をより高めていきます。現時点でも選手たちはかなり意識的に行えていますが、人間はどうしても慣れが生じるので、シーズンを通して選手同士で指摘・評価し合いながら取り組んでいくことが大切です。
 選手が自ら考えて、スローガンに「Hungry Detail Action」という提案をしてきましたが、その点を踏まえても本当によく考えてきていると思います。自分たちで決めたテーマですから、実践、体現してくれることを期待しています。
 そのなかで中心となっているキャプテンの武井(日向)は本当にしっかりしています。ただ、真面目な性格なので、何か問題が起こったときに、その原因を考え過ぎてしまうことがあるかもしれません。彼にも直接伝えましたが、あまり突き詰め過ぎず、学生ですから多少のスキみたいなものはあってもいいのかなと。とにかくポジティブでいることが大事ですし、これからゲームを重ねる中で、彼とは深いコミュニケーションをとっていきます。
 

大学選手権連覇に向かって


 今季は現時点で全体的な底上げができているので、春季大会では多くの選手を起用し、チャレンジと競争をさせていきたいです。また今季の対抗戦は6週間の中断期間があり、その間の10月には天理や同志社との試合を予定しています。この6週間の過ごし方が重要で、ジュニアのゲームも含めてチームをさらに進化させていくつもりです。武井組が常に成長していくことを目的に、大学選手権の連覇という目標に向かって進んでいきたいと思います。