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田中澄憲監督 『熱いファンの方へ感動を伝えたい』(VOL.19)

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『熱いファンの方へ感動を伝えたい』

前任の丹羽政彦氏からバトンを引き継ぎ、明治の指揮を執ることになった田中澄憲監督。
昨季のヘッドコーチ時代から積み上げたスタンダードを、さらに高いレベルへと引き上げていく。


 

強化方針として掲げる〝5つの柱〟


 昨季の大学選手権決勝で帝京に敗れましたが(20●21)、「本当に1点、2点の差しかなかったのか」と問われれば、そうではありません。
その差を埋めるためには、フィジカル・フィットネス・スキル・意識のあらゆる面において、さらに〝個〟を強くしなければいけないと感じました。
一人ひとりがより成長しない限り、チームとしてのレベルアップは望めません。
 昨季終盤になるに連れ、マインドセットと規律、チームワークは本当に良くなりました。
今季はさらに積み上げて、ラグビー自体の強化を行います。
 具体的にドミネートスクラム、デンジャラスアタック、ハンティングディフェンス、フラッシュトランジション、スマッシュブレイクダウンの5つを強化方針の柱として掲げました。
どれもラグビーで大切な要素です。
例えばハンティングディフェンスであれば、相手からボールを奪い返す“狩り”の時間という意味です。
いずれも選手がイメージしやすく、チーム内で共有しやすいようにネーミングしました。
 春季大会2試合を終えて(※編集部注:取材日は5月9日)、想像以上の結果です。現在の練習では、個人のフィジカル・フィットネス強化と基本プレーを中心に取り組んでいますが、試合ではそれ以外の部分も自然とできています。
昨季以上に、全体のスタンダードは上がっていますね。
 あとはプレッシャーゲームでの対応力が必要です。
帝京の強さは(大学選手権の)決勝にも表れていた通り、勝負どころでの修正能力と落ち着き。
これは春の試合で図れない部分ですが、明治も決勝を経験して、少しずつその力をつけ始めているように思います。
実際、先日の帝京戦では逆転されたあと、自分たちでもう一度流れを引き戻し、勝利に繋げてくれました。
 

チーム全員が明治のラグビーを体現する


現時点で、レギュラーを約束された選手はいません。明治の強さは、「チーム全員が明治のラグビーを体現できる」ことにあります。
 今季は主将以外にリーダーが7人います。
グラウンドの中には何人もリーダーがいていい、そう考えています。
 そして部を良くするために皆で運営に携わっていく意識を植え付けたい。
主将や寮長だけでなく、今年はすべてのことにリーダー陣も関わって、それを下級生に伝えて文化にしていく。
そういう流れを作りたいと思っています。
 部員に対してはアティテュード(態度)を求めています。
自分がどんな選手になって、チームにどう貢献するか――常に目標を持って全力で取り組んでほしい。
ラグビーの話だけではなく、卒業して社会に出た時、人間として評価される部分でもあります。
 昨年明治に帰ってきて、ファンの皆さんの熱い応援を肌で感じ、改めて大学ラグビーの良さを知りました。
今季もよろしくお願いいたします。
 

ファンクラブ会員からQ&A


Q1 選手時代に、非常に大切な試合で自分のミスが原因で試合に負けるなどし、大きな挫折感の底に沈んだことはありますか?
 そんなとき、どんな心の持ち様や考え方で乗り切ってこられましたか?
 そして、いまの選手たちがそうなったとき、どんな声をかけようと思われますか?
 失敗しない選手はいないですし、同じ過ちを繰り返さないように、どうすればよいのかを考えていくべきです。
たとえば、昨年度の決勝の堀米(航平・現リコー)。
彼には「ラグビーを続ける限り、こんなことはいくらでもあるから、次に同じ機会が来たときに(キックを)決められるようにすればいい」と伝えました。

Q2 今年から留学生枠が3名となりました。この流れに、どのように対処するのが伝統校としての明治の考えですか。
 伝統校だから留学生を受け入れないわけではありません。
他の大学が行っているような留学生を受け入れる仕組みが、明治にはないということです。
もちろん脅威ではありますが、そういうチームを破って日本一になれれば、それはそれで価値のあることではないかと考え、ポジティブにとらえています。