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ALL FOR Meiji司令塔は誰に?『俺がポジション を獲る』(VOL.17)

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ALL FOR Meiji司令塔は誰に?『俺がポジションを獲る』

今季、熾烈な争いが繰り広げられているSOのレギュラーポジション。
スタメンの座に近い3選手に、今季にかける意気込みとチーム状況について聞いた。

堀米航平(4年)


春、チームの土台を築けたという点で手応えがあります。
全員が同じくらいレベルアップできましたし、ここからしっかりとチームプレーを積み上げていけば、十分にやれると思います。
BKは春の時点では多くのことに手をつけず、限られたサインプレーにこだわってきました。
BKが意識しているのは、ゲームのなかで常に変わっていく状況に対して、臨機応変に対応すること。
練習のたびに良くなっていますし、SOとしてもやりやすさを感じます。
自分個人の判断だけでなく、周りからの声も含めて意識が相当高くなりました。

 BK がシンプルなサインだけでもいいアタックができていたのは、FWがスクラを押してくれたおかげ。
帝京にも引けを取っていませんでした。
ここにモールが加われば、チーム全体の得点力はさらに上がります。

 明治のBK には元々、梶村をはじめとして能力の高いCTBがいますし、バックスリーにも走力のある選手がいます。
相手も的を絞りにくいと思うので、もっと嫌にさせるような攻撃を自分が仕掛けていきたいです。
梶村とは下級生のときからA チームでずっと一緒にやってきているので、“あ・うん”の呼吸があります。
お互いに考えていることは大体分かりますね。
ただ、ずっと2 人だけでやっていてもチームのためにはなりません。
他の選手ともコミュ二ケーションを取っていますね。

 個人のプレーでいうと、過去3年間はボールキャリーとして仕掛けるという自分の長所をあまり生かせていませんでした。
消極的なパスとキックが多く、相手からすれば、あまり怖くないSOだったと思います。
そこを変えようと春から意識して取り組んできました。
きっかけは澄憲さん(田中ヘッドコーチ)からの指摘です。
プレー映像をよく見て、自分なりに考えて、トレーニング方法を変えるなどの工夫をしてきました。
澄憲さんは自分にとって、とても影響力の大きい方です。
これまで悪いところを指摘されることがあまりなかったので、短期間で自分が大きく変われるきっかけをくれて本当に感謝しています。
チーム全体としてもAチームだけでなく、Dまでのすべてのチームで競いあえる環境に変えてくれました。
全員が目標を高く持って、上に行こうという気持ちで臨めています。

 松尾と忽那の存在は、いい刺激になっていますね。
2人とも今年はすごく良くなっていて危機感がありますし、それが自分のレベルアップにもつながっています。
チームにも、自分のためにもなっているという意味では、すごくいい環境です。
ポジション争いを通じて、チーム全体のレベルアップ、底上げをしていきたいです。

松尾将太郎(3年)


今季は「NEW “MEIJI”」というチームスローガンを掲げていますが、選手一人ひとりのマインドが変わりつつあります。そのスローガン通りにチームはいい方向に進んでいますし、春シーズンは結果以上の内容で手応えを得られました。

 これは今季からヘッドコーチに就任した(田中)澄憲さんの存在が大きいと思います。
練習では短い時間で集中してやろうという意識をチームに持たせてくれていますし、練習以外ではフレンドリーに接してくれます。
もちろん、ダメなところは指摘してくれますが、どちらかといえば自分たち選手に任せてくれますね。
すべてのコミュ二ケーションを含めて、選手が本当にやりやすくなっていると思います。
自分は(東福岡)高校時代から、自主性を重んじるスタイルに馴染みがあるので、今の形はやりやすいです。
選手からも自発的に意見が出てくるようになってきて、チームにいい影響があります。
ほとんど毎日のようにミーティングがあり、選手だけのミーティングも増えて、発言しやすい環境ができています。

 BK は、春からファンダメンタルスキルの向上をはかってきました。
やはり基本がしっかりしていないと、それ以上のプレーは望めません。
まだまだミスがあるので、攻撃の精度がより高まるように継続してトレーニングしています。
今季はFWが強いからこそ、BKも前に出ていかないといけませんし、ミスを極力減らさないといけない。
キックも含めて、意識を高く持って日々の練習に臨んでいます。

 個人として意識的に取り組んでいるのはゲームコントロール。
FW、BKともにいい選手は揃っていますが、一人ひとりがバラバラにプレーしてしまってはチームに綻びが出てしまいます。
自分がFWをコントロールして、外が空いたらBKに回すというゲーム運びを意識したいですね。
自分は前を向いて仕掛けるプレーが得意ですが、前にスペースがなければパス、裏が空いていればキックで転がして仲間を走らせる。
場面に応じて、いい状況判断をしていきたいと思います。
BKには自分でフィニッシュできる選手がたくさんいます。
相手と1対1の状況や、BKの選手を余らせる形を作ることが本当に大事。
いい形でフィニッシャーにボールを渡したいですね。

 これからいよいよ本番を迎えますが、まだまだチームとして成長できるし、大きく変わることができるとも思っています。
ここからが本当の勝負。まず自分がしっかりレギュラーに定着して、勝利に貢献したいです。
明治はチャレンジャーなので、アグレッシブに大学チャンピオンを目指して、ファンの皆さんに「NEW“MEIJI”」を見せたいと思います。

忽那鐘太(3年)


レギュラーを目指していた昨年の夏に、左ヒザの前十字靭帯断裂という大ケガをしてしまって、とても悔しい思いをしました。
同期の(福田)健太や(松尾)将太郎がAチームで出ている姿を見て、もちろん応援していましたが、羨ましい気持ちも大きかったですね。

 今年は大東大戦のB戦(6 月11日)で、本格的なゲームに復帰できました。
最初は緊張しましたし、ケガのことが頭をよぎってタックルに入られる怖さもありましたが、周りの仲間が盛り上げてくれて、すごく嬉しかったのを覚えています。
プレーとしてはコミュ二ケーションを意識して臨みました。間違っていてもよいので、思い切り声を出しましたね。
試合後には(田中)澄憲さんから「ちゃんとアピールできていたぞ」と声をかけてもらえたので、復帰ゲームとしては手応えがありました。

 コミュ二ケーションという面では、今季は練習中に選手同士で話し合う回数が、すごく多くなりました。
選手中心のミーティングはもちろん、何より話す意欲が高まっています。
練習自体もゲームを想定したものが多いので、昨年よりプラス材料は増えていると思います。
具体的には、アンストラクチャーの状況やターンオーバーを想定した実戦的なトレーニング。
とてもきついメニューを休みなく行って、判断力が鈍ったところでも正しく状況判断できる力をつけてきたので、チーム全体の集中力も高まってきています。

 澄憲さんは落とし込み方がすごく分かりやすいですね。
また練習中や練習後に、一人ひとりに声をかけてくれるので、方向性が明確になっている部分もあると思います。
澄憲さんからは「前のスペースが空いていたら、もっと自分で運んでいい」というアドバイスをよく受けます。
ケガのこともあってパスに逃げがちなところがあったので、とてもありがたいですね。
ライバルの(堀米)航平さんも将太郎も自分で前に仕掛けるプレーが得意なので、これからも意識して取り組んでいきたいです。

 昨年までのBKとの大きな違いはキックでのエリアマネジメント。
キックはどうしても相手にボールを渡してしまうので、スペースを見て、空いていたら積極的に回すアタックを心がけています。理想は自陣からでも積極的に仕掛けるBK。SOは重要な役割を求められているので、周りの声をしっかりと聞いて、チームをオーガナイズしていきたいですね。

 ここまでチームとしてうまく進んできていると思いますし、AからDチームまですべての選手がまとまれば結果はついてくるはずです。来年は自分たち3年生が中心になるので、4年生に任せきりにならず、ハングリー精神を持ってやっていきます。