明大ラグビーファンクラブ

最新ニュース

コーチが語る、3連戦勝利のカギ(VOL.5)

このエントリーをはてなブックマークに追加
コーチが語る、3連戦勝利のカギ
今季からフルタイムで指導しているコーチ陣は、今のチーム状況をどのように分析し、今後の3連戦に臨むのか。
小村ヘッドコーチ、土佐BKコーチに伺いました。

小村淳 ヘッドコーチ
春からフィジカルの強化をテーマに掲げ、チーム全体で食事面とウエイトトレーニングを合わせての体づくりに取り組んでいます。具体的にいうと体脂肪率は下げて、体重だけではなく筋量も増やしていくということです。
定期的に数値をはかっていますが、発展途上ですね。数値が改善されている選手は、やはりパフォーマンスが非常に良くなってきています。上のカテゴリー(Aチーム)でプレーができていますし、試合でも相手に通用しているという結果が出ています。
選手たちは、毎日の練習に一生懸命取り組んでいます。評価すべき点もあるものの、試合内容に目を向けると筑波戦もそうでしたが、細かいミスが多い。そしてミスに対する厳しさ、戦略や戦術を遂行するためのチーム内での厳しさが足りていません。これは練習から変えていく必要があります。強いチームは練習時から自分たちでミスを指摘しあう、時にはぶつかりあうほどですし、仮に試合中、誰かがミスをしても誰かがカバーをする、そんな文化があります。
明治の選手たち自身も、いかに早い段階で気づき、そういった文化を築き上げていくか、我々コーチ陣はその道しるべとならなければなりません。
コーチ陣は春から一貫性をもって基礎から指導しています。次のステップへ移って、うまくいかなければまた基礎に戻る、この繰り返しです。ラグビーは瞬時の判断が求められるスポーツ。無意識に体が反応できるようになるまで徹底して練習する必要があるのです。また今年からスクラムのルールが変更になりました。これまで重い体重を活かしてヒットできていましたが、それができなくなったので、新ルールに対応すべく修正中です。
慶応、帝京、早稲田と対戦しますが、彼らの強み・弱みを理解した上で、FWもBK もシンプルに前に出てアタックするという明治のスタイルを貫いていきたいです。今年はスリーフェーズで得点を奪うことを一つの目標としています。その起点となるFW のセットピース(プレー)がいかに安定するかがカギを握ると思います。

土佐忠麿 BKコーチ
対抗戦2 試合は無失点でしたが、筑波戦はディフェンスが機能しなかったように、課題がたくさんあります。チームはまだまだ伸びる可能性があるからこそ、課題に対してしっかり向き合わなければなりません。
課題というのはまず基本的なことです。戦い方をふくめチームで決めた規律(ルール)を選手一人ひとりがまずしっかりと遂行し、時には自分で判断をして責任を持ってプレーをする。ここを着実にしていかないと、チームとして機能しなくなります。今季はA チームでの経験の浅い選手が多いですし、緊張によるミスなどもあるかもしれません。しかし、勝利したからOK というのでは強豪校相手には通用しません。チームとしてやらなければならないことを徹底してやっていきたいと思っています。
この先慶応、帝京、早稲田と、上位陣との対戦が続きます。単純な話、ラグビーは点を多く取られたら負けるスポーツですから、簡単に取られないチームに成長していくことが重要になってきます。
丹羽監督も試合前には「体を張ってまずはディフェンスから」ということをいつもおっしゃっています。と話すと、よく誤解されがちですが、ディフェンスをすればアタックをしなくてもいいということではありません。点数を奪われては負けるので、選手は体を張って止めなければならない。シンプルな考え方です。
アタックに関してはWTB の小澤を筆頭に走り切れるトライゲッターはいます。しかし、彼らにうまくボールをつないで走りきってトライを取るという形は、あくまでも攻撃パターンのひとつにすぎません。BK が前にボールを運べれば、FWも前に出れますし、逆にFW が前に出れば、BK のさまざまなトライパターンが生まれてきます。
シーズン中はケガなどアクシデントも起こる可能性はあります。「ここでしか取れない」「この選手がいないと得点がとれない」という戦い方ではなく、選手それぞれの良さを引き出していけるように準備して、対抗戦に臨んでいければと思います。