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4年生が振り返る夏合宿in菅平 Interview2 (VOL.8)

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Interview 2 丹羽政彦監督

充実した春シーズンを終え、対抗戦が開幕する。丹羽政彦監督は「まだまだ課題はある」と前置きをしつつも、昨年以上の確かな手ごたえをつかんでいる。

やらされているのではなく“自分たちでやって勝つ”という気持ちで戦う


選手間での自主的な話し合いが増えた

春シーズンに結果を残せたのは、昨年から取り組んでいたラグビースタイルの浸透、さらには、新たに坂井裕介S&Cコーチを招いてフィジカルやフィットネスを強化できたことが大きかったと思います。昨年の反省点を克服しつつ、明治そのものの強みを出していくチーム作りを総合的に進めることができました。それが、得点の増加や失点の減少につながり、必然的に勝利へと結びつきました。当然、内容も大切ですが、勝って反省するというスタンスを持ち続けられたのが、帝京以外に負けなかったという結果に表れたと考えています。
選手間で自主的に修正できるようになってきた点も収穫です。ハーフタイムに「攻撃はこうしよう」「ディフェンスはこう変えよう」など、主将の勝木(来幸)やリーダー、ハーフ団を中心に話し合い、小村コーチが総括する。こうした会話ができるようになって、後半に崩れるゲームが減りました。最終的には我々が何も言わなくても、選手たちで話して修正していける形を目指しています。
さらには、チームマネジメントや私生活の規律が充実したことも大きな要因です。寮長の牛原(寛章)やマネージャーの小倉(良太)の存在が大きく、本当によくやってくれています。また体作りに欠かせない食事も、尞の食堂の関係者にご協力いただいて改善されました。
例えば麺類に偏りがちな昼食にタンパク質を摂取できるメニューを加えたり、バイキング形式の食事では栄養バランスを考えてメニューを選ぶなど、意識も含めて変わってきています。

明治流のフィジカル強化で勝負

フィジカルトレーニングで特に主眼を置いているのが、俊敏性の強化です。選手の体自体も大きくなり、各筋力の数値も向上していますが、帝京などの強豪校に勝つには、それだけでは足りません。より体の大きい選手を相手にしたとき、瞬間的な動きの向上やリアクションのスピードを高めることで、勝機はさらに広がります。FWで言えば、1対1の局面で2人目、3人目の選手が一瞬でも速くサポートに入る。こうしたプレーが少しずつですが、できるようになっています。ここに攻守の切り替えの速さが加われば、十分に戦っていけるはずです。
春の帝京戦は12対53で敗れましたが、敗因は気持ち。選手も気持ちを作ってはいますが、どこか様子を見ている。相手の出方をうかがって、受けに回っているうちにスコアを離されました。だからこそ、厳しい局面で厳しいプレーを選択できるようにならなければいけない。ハードワークをしてつらい状況でも、心では「絶対に勝つ」気持ちを持つ。普段の練習での姿勢が最終的には勝敗に出てきますから、チーム戦術を理解したうえで、懸命に取り組んでいる選手を積極的に起用していきます。やらされているのではなく、自分たちでやって勝つという気持ちを持てば、強豪相手に僅差のゲームを制することができると信じています。
スタイルとしては今シーズンも、人もボールも動くラグビーを追求していきます。明治の伝統であるスクラムやモールなどFW戦での強さを生かしながら、BKへとつなぐスタイルです。ここまで順調に来ていますが、さらにスピードやアタック能力のレベルを向上させていきたいですね。
まずは、対抗戦の初戦となる筑波戦(9月14日)に照準を合わせ、徐々に戦力を上積みさせながら、慶應、帝京、早稲田に挑んで優勝というイメージを持っています。選手にも勝ってチャンピオンにならなければならないと伝えていますので、期待してください。そして、今年こそ正月越えを果たし、大学選手権優勝を目指します。